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ハーレクイン 2008年 10月号 [雑誌]
B001DXOECS

一日挟んでやっとの4作目。

危険な外交官 (ハーレクイン・ロマンス)
Robyn Donald 久我 ひろこ
4833514842


コミカライズ担当:森素子(カラー有り/描き下ろし)

ある理由で婚約者に去られ、辛い思いをしたヒロイン有能な通訳者。出来れば祖国ニュージーランドと絡む仕事は引き受けたくはなかったが、断れず引き受けた。依頼主であるNZの外交官呼ばれ、出向くもあまりに魅力的で圧倒される。だが、過去故に恋はしない・出来ないものと思い、また心を見透かすような瞳で射抜かんばかりに自分を見つめる男に、触れられたくない「かつて」を露見させられるのではないかと警戒する。
彼は彼女を食事に誘ったが、ヒロインは断った。だが結局仕事の話があると誘い出され、バーで会話する羽目に。なにひとつ見落とさない彼の優秀さと油断の無さに恐れを抱きつつも惹かれている気持に気づいてしまう。
何があっても、この男性に惹かれてはいけない。特に、外交官などを生業にしている男には。
ヒロインには外交官を遠ざけたいだけの理由と辛く重い過去があった。

鬼畜ヒーローと言えばこの作家、と言われそーなロビン・ドナルド作品なのでかなり警戒しまくってしまったのだが、森さんのアレンヂの故か元来そうなのか、ヒーローは情熱的かつやや強引ではあるものの紳士的。安心したんだか肩透かし喰らったんだか(ははは)。

基本忍耐強く紳士的に、かつ直向きにヒロインに迫るタイプのヒーローだったので読んでいて楽しい♪ 傲慢野郎ばっかりじゃ食傷気味になるしよー。ヒロインが過去背負い込んじゃってるのと察知すると、それを解きほぐそうとしてるカンジなのもよろし。でも迫るのはやめないぜ(笑)。

相変わらずのノオブルかつ端正な雰囲気の男性に愛らしさと清楚さ漂うヒロインでウマウマVv ラストのプロポオズ・シーンはベタなれどそれ故に素敵な仕上がりVv いやあ、良かったわー。

総評。とりあえず、篠崎さんの「おとぎの城の…」でかなり大満足だったので、その一作のためだけでもイイカンジの号だった。森さんのも良かったし。小林さんのは野郎キャラに感情移入しづらくてダメだった↓ 中村さんは完結をちゃんと見なくては。

次月号ラインナップは真崎春望さん(巻頭)、伊勢崎とわさん(うむ!)、中村地里さんの後篇、桜屋響さん(よっしゃー!!)と楽しみな方がふたりもVv 特に桜屋さんは個人的大ぷっしゅしまくりの生え抜き新人さんなのでわっくわくだ。楽しみー♪
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ハーレクイン 2008年 10月号 [雑誌]
B001DXOECS

では3作目。ヒストリカルにしてシリィズものの一篇、前後篇の内の前篇。

囚われの聖女 (ハーレクイン・ヒストリカル・ロマンス)
Tori Phillips 古沢 絵里
4596321752


コミカライズ担当:中村地里(カラー有り/描き下ろし)

カトリック信者であるが故に、時の王に迫害され死刑に処せられることになったヒロインと、彼女の死刑執行人として現れたヒーローとの恋を描くヒストリカル。

トーリ・フィリップスのヒロインは気骨があるというか、ヒストリカルではあるけれど、オヒメサマオヒメサマしたヒロインはあまり見かけない。良くも悪くもあの手この手で相手を翻弄したり危機的状況を回避したりしようとするところが魅力的。

今作は「キャベンディッシュ年代記」の中では第1話に相当する物語のヒーローだった男性の娘がヒロインに。敬虔なカトリック信者であるということでキャベンディッシュ家を煙たがる者たちの画策やまだ年若い王の浅慮によって死刑が宣告され投獄される羽目に。
彼女の死刑が執行されるまでの見張りが彼女を手込めにしようとした所に執行人が到着し、その非道を止める。
彼は所謂ジプシーと呼ばれる民であり、貴族や彼等を蔑む人々を「ガッジョ」と呼んで忌み嫌っているのだが、その貴族の娘である筈のヒロインの美しさや優しさに心を奪われてなかなか「刑の執行」に至ることが出来ない。彼は彼で人質を取られ、何としてもこの厭な役をやり遂げなくてはならないのだ。
身分の違い、迫る追っ手、あらゆる困難を背負いつつも結ばれるふたり。さあ、どうなる!?

……という所でとりあえずは終わり。今のところこの「キャベンディッシュ」のシリィズは同じまんが家さんの手でコミカライズされていて、更には大抵前後編、と比較的ペエジにゆとりを以て描かれているのがいい(ヘタするとダレるけど)。
でも、相変わらずシリアスな場面で「○○~~」と伸ばすのだけはいただけない↓ 何か間延びしちゃうんだよなあ。

ロム民族であるものの、騎士のような振る舞いを見せる心優しいヒーローと、前向きで勇敢なところを見せるヒロインが魅力的。
物語の中盤で早々と結ばれちゃって、そんなふたりにどんな危機が迫るのであろーかと期待して待て次号、ってことかなー。

中村さんはまとめるのがお上手だなあと思わせてくれる反面、そつが無さ過ぎて単調に感じられる時があるのが少しだけ残念。いや、これなんかもかなりテンポよく進んでいるとは思うんだけど、何となくのっぺりした印象を受けなくもないんだよなあ。何でだろう。

原作持ってるのに未読のままコミカライズを先に読んでしまった↓ こんなのばっかりだな、私。
ハーレクイン 2008年 10月号 [雑誌]
B001DXOECS

では2作目。

おとぎの城のロマンス (シルエット・ロマンス―ウエディング・オークション (L942))
マーナ・マッケンジー
4596004544


コミカライズ担当:篠崎佳久子(カラー有り/描き下ろし)

ヒロインは教師。毎年市が開催するチャリティ・オークションに参加している。彼女は「働き手」という「商品」としてオークションに自らを出品し、それによってチャリティに協力しているのだ。
彼女を高額で競り落としたのは最近町で噂の、城に住む男。彼女が昔から憧れていた古城にひとりで暮らしているのだという。いつかその城に入ってみたいと思っていたヒロインにはまさに渡りに船のハナシ。……おまけに、競り落としてくれた雇い主である彼は、驚く程魅力的と来ている。

彼女の仕事は城の中を掃除・整理し、彼の姉が来るまでにそれを済ませ、その姉上とやらに彼がちゃんとひとりでもやっていけると解らせることである、という。大家族で暮らし、決して豊かとは言えない生活を送っていた彼女は、修繕も掃除も苦にならない。それどころか城で雇われている間は暮らせると来て、嬉しくもある。
そこに、姪を預かって欲しいとの妹からの依頼。ヒーローに尋ねると多少困惑を見せるものの快諾してくれる。
少し夢見がちで前向きなヒロイン、陰のあるヒーローと無邪気な姪っ子、3人(+通いの家政婦)の暮らしが始まる。

互いにふたりは惹かれ合うものの、ヒーローにはある過去のために、恋に前向きになれない理由があった。

とにかくふんわり優しくて可愛い話Vv これは原作持ってるし読んだ♪(まあちょっと内容忘れてた訳だが↓)3部作だけに、ほかの2作が読めないのが残念至極。

ヒロインがひっそりと子供の頃のオヒメサマ願望を持ったまま、の大人で、お城に入れた、というだけでわくわくしまくってるのが可愛い。
ヒーローの気持を汲んで何にでも一所懸命に取り組むのもいいなあ。ヒーローと彼の姉との関係性や、少しずつ育まれてゆくロマンスもいい(姉上にもロマンスの気配が漂うのだ♪)。

篠崎さんはアクション性の高い、逞しい男性が格好良く大活躍するサスペンスフルな物語も向いていると思うけれど、こういうふんわり甘々なのもお上手でいいなあと思う。

ラスト、プロポオズのシーンはまさにおとぎばなし。いやあ、何とも可愛らしくて良かった良かったVv
ハーレクイン 2008年 10月号 [雑誌]
B001DXOECS

まずまずの粒揃いだったかと。自分にとってかなりツボな作品があったので、それだけでも嬉しいVv

残酷な再会 (ハーレクイン・ロマンス)
Cathy Williams 加藤 由紀
4596119120


コミカライズ担当:小林博美(巻頭カラー/描き下ろし)

困窮していたヒロインに差し伸べられたのは、かつて愛していたものの、別れることになってしまった男性の、見下すような眼差しを添えた誘惑の手だった。

富裕な家に生まれ育ったヒロインが、父親の他界をきっかけに放蕩ぶりとそのための借金に喘ぐ羽目に。屋敷を買い取り、会社を支援するという人物が現れたと知り、会ってみるとそれはかつて愛した男だった。
彼は彼女の屋敷で使用人として働いていたものの、彼女と愛し合うようになった。ある夜突然彼女にプロポオズするものの、彼女は戸惑うばかりで、ひとまずは断ってしまう。すると彼女にとっては貧乏人相手の遊びだったと決めつけてそのまま姿を消してしまった。
その彼が今では相当の資産家となり、彼女の屋敷を買うという。更には彼女をも手に入れるのだと言い放つ。
憎しみが湧くのと同時に、それでもやっぱり愛情を捨てることが出来ないヒロイン。

……正直、野郎があまりにもガキで短絡的過ぎて、同情もへったくれもあったもんではなかった。当時ヒロインは大学生で、子供と言えばまだ子供。親への依存度は高かったのはある意味当然だし、しかもそもそもが富裕な家とあっては、いきなり家も家族も何もかも捨ててオレと一緒に来てくれ! と言われても「おっけー!」と駆け落ちする勇気が無いとしてもそれ程責められることでもないような気がするんだが。突然プロポオズされて即断出来ないからってソッコー町を飛び出してヒロイン投げ捨てる方が余程ひでえと思うんだが。

確かに、ヒーローが思い詰めるのも無理ないと言えば無理ない状況でもあるにはあったけど、反対される可能性があったことを微塵も考えずにただ願いだけ叶えてもらえると思って彼女の両親の元に赴いて結婚させてくれくれゆったって、ねえ。
復讐したい一心で今の財産築き上げたくらいなら、断られた段階で「それなら申し込むに相応しい男とやらになってやんよ!」と出世に漕ぎ着けた方が建設的じゃね?

一事が万事短絡的かつバカっぽくて、どうも感情移入出来ないんだよなあ、この「元・貧しくて苦労してました」ヒーロー。
そして、そんなバカをずっと愛してたヒロイン。それでも、彼を純粋に愛していたのは事実だし、それ以来誰も愛せなかったのも事実だし、元来身体の弱い母親も捨てられなかっただろうし、父親の放蕩を知っても逃げ出さずにどうにかしようともがいていただけ、バカ男よりマシってもんだろう。

HQにはよくあるパタアンのハナシだったけど、ヒーローが直情バカ・短絡思考の持ち主、という点でガッカリであった(まあ大抵のヒーロー直情短絡思考バカだけど・笑)。

ヒロインから関係の修復の努力をさせるのも好みじゃねえなあ。折角なんだから、やっぱここは「プライドの高い男が愛故に自ら折れる」ってのを見せてくれよ。

そんな訳で、☆3つ、ちうカンジでした。
ハーレクイン 2008年 09月号 [雑誌]
B001C0WZXW

やっちゃったなーおい。やっちゃったよー、な9月号。あーあ……。

誘惑のハネムーン (ハーレクイン・イマージュ―キング三兄弟の結婚 (I1609))
エマ・ダーシー
4596216096


コミカライズ担当:夏よしみ(巻頭カラー/描き下ろし)

三部作「キング三兄弟の結婚」最終話。華々しくラストいっきまーす!
三兄弟の末弟がヒーロー。農園主である。
ヒロインは彼等の祖母――一族の要にしてマッチメイカアでもある――に見出され、彼等一族の歴史を本にまとめる仕事を任された女性。
これまでに祖母に紹介された女性たちとアッサリ結婚してしまったふたりの兄を持つ者としては、どんな女性であれ警戒せずにいられない。そこで少しばかり軽薄なプレイボーイを演じてからかってみる。
彼女は職業柄かカタブツに見えぬこともないけれど、印象的な赤い髪と琥珀色の瞳をしていた。
その女性は5年前訪れたアメリカで目を奪われた女性にとてもよく似ていて――

ってさあ。やっちゃってました。イヤな予感的中。夏さん、オトしてしまわれた↓↓↓ 「プロローグ篇」なんつって、33pでしゅーりょ~~。残りは以前掲載された「レディは恋泥棒」再録でお茶を濁されてしまったのでありました。ふおおおおおう↓

判を押したよに同じような展開だとしても、いいとこでぶった切られちゃってて、まあ続き気になる気になる(涙)。描線は荒れてなかったし、下絵まんまでもなかった。少なくとも、出せる分はとりあえず出来得る限り丁寧に描かれたのだとは思う。でもやはり描き込まずにはいられないかのように細部まで背景等描く彼女にしては、白いと言わざるを得ない。人物ばかりが淡々と描かれてるコマ多し。もったいないなー。

ちなみに再録作品はこちら(何とコミックスは2003年に発行されてたよ。つまりそれくらい、あるいはヘタすりゃもう少し前に掲載された作品、ということになる)。
レディは恋泥棒 (ハーレクイン文庫)
Jacqueline Baird 駒月 雅子
4596931305

現在は文庫化されてこちらの方が入手し易い。

本来はこちら。
レディは恋泥棒 (ハーレクイン・ロマンス)
Jacqueline Baird 駒月 雅子
4596005516

ジャクリーン・バード日本デビュウ作だった。



ちなみに、親友が強請のタネになりそうな写真を撮られてしまい、どうしてもと頼まれて、レディの称号を持つ身でありながら他人の家に忍び込むハメになった挙げ句捕まってしまったヒロインの物語。
いやあ、背景からドレスから何から、描き込みっぷりがパねえ仕上がりです。

ああ、全編読みたかった! これは半ば描き下ろしコミックスのようなカンジで市場に姿を現すことになる、んだろう。くそ! 雑誌で読んでもなおどうしても欲しくてコミックス、てのが理想なのにー!(ほかを買うので余裕がないために、コミックスが買えない私には雑誌は廉価でたっぷり楽しめる素敵メディアなのよう!)

そんな訳で明日は2作目ーっ。
ホテル・インフェルノ (ハーレクイン・スポットライト・プラス 26 光と闇の覇者 1)
ホテル・インフェルノ (ハーレクイン・スポットライト・プラス 26 光と闇の覇者 1)
どーん!

……いや、タイトルが意味するのはこの表紙の人物がリンダなのかと吃驚している訳ではなくて、あくまでも内容のことなんだけど。

随分久々にHQ社から新刊が出た。一応HQのはコンプしてるし、折角の新刊だし、と購入したのだが。あれ? あれあれあれあれ。

何だかいつものリンダじゃない! だって、

野郎がすぐに発情してこれでもかと迫り倒したりしないし、押し倒しもしないし種馬っぷり披露しないし!!

リンダなら、大抵パラ見ですらそういうのが伝わってきたりしてた気がするんだけど。あれ。なにこれ。何か違う。

どうやら超能力を持つふたつの一族同士のある種の抗争とそこに芽生える愛、を描く三部作らしいのだけれど、これがその一冊目。で、まるっと、何というか単なる序章、世界観や物語背景の説明・解説、というカンジで、リンダ節炸裂! というオイシさが感じられないのだ。

……まあちょっと読んでみたら

電柱みたいなものを押しつけてきたでしょ!」
「ハハハ、僕のはそんなに大きくないよ」

みたいな如何にもな台詞の掛け合いは見つけてしまったんだけどもだな(それにしてもなんつー会話なんだよ↓)。

物語の背景みたいなのは、会話だとかモノロオグに巧いこと潜ませて、あくまでもロマンス部分、ヒーローとヒロインの攻防と愛を描いて読ませてくれてたと思うんだけど。今までは。それが、何かこう、「私はあくまでも序章担当、本格的展開は後のふたりにお任せよん♪」みたいなノリで、ちょっとスカスカな印象を受ける。あの濃ゆさは何処へ行ったの!? これでもかと迫り倒すヒーローは!? 健気なヒロインのウブさにつけ込む狡猾な野郎は!? 自分の屁理屈だけでベッドに雪崩れ込みたがるすっとこどっこい野郎は何処行っちゃったの!? そして、サスペンスフルな中にも官能を盛り込んで盛り上げてくれちゃうあのノリは!? テンションは!?

いやあ、色んな意味で吃驚しちゃった。熟読してないから、案外ちゃんと読めばこの「第一印象」みたいなもんは変わってくれるのかもしれないんだけど。

これは残り二作も何となく不安だ……。
ハーレクイン 2008年 08月号 [雑誌]
B001ANOG7O

そしてラスト。今回はこれがいちばん読み応えがあったかな。

君の声が聞きたい (シルエット・ディザイア (D883))
ジャスティン・デイビス
4596007462


コミカライズ担当:香住真由(カラー有り/描き下ろし)

ある日ヒーローは魅力的かつセクシィな女性から電話がかかってくる。慈善事業のためのチャリティ・オークションに「出品対象」として出てくれないかと言うのだ。オークションの「商品」となるのは御免だけれど、その声の持ち主のユウモアや屈託の無さには大いに惹かれた。

その声故に、会ったこともない男性からの誘いが断たないヒロイン。しかし彼女は「またか」と呆れ、冷めた思いで会ったこともない男たちに失望する。
彼女は身長が高く大柄な体型で、誰もがその声から勝手に想像する女性像とは異なっており(おそらく、男性たちは皆メリハリのあるぼでーを持つセクシィな女性、あるいは華奢で女性らしい体型の女性、を思い描いている)、実際に彼女に会うと、それまでどんなにしつこく口説いてきた男であってもそそくさと去ってしまうのだ。かつてはその理由「だけ」で恋人から捨てられたことすらあり、真実の愛などというものは自分とは無縁のものだと思っている。

そのふたりがオークション当日に会う。ほんの一瞬、自分の姿を見て驚きを隠せなかった男に、ヒロインはやはり傷つく。だが彼はそれまでの誰とも異なり、温かく誠実そうな人柄を感じさせた。
そのオークションで司会を務める男性は最近人気のコメディアンなのだが台詞や言い回しがどうも失礼で好ましくない。彼女は困惑しどうにかしたいと思うものの、会場の雰囲気や進行を断つことも出来ずそのまましたいようにさせていた。ところが、その司会者によって、突然彼女とのデート権が開始価格5ドルという屈辱的な価格から出品されてしまい、あまりのショックに呆然とする。それに腹を立てたヒーローは迷わず入札し、しかも高額で落札。ヒロインは気を取り直し、ユウモアで会場を元の雰囲気に戻した。それにまた関心するヒーロー。

それ以来、ことあるごとに自分を食事等に誘い出すヒーローに戸惑うヒロイン。確かに彼はいいひとだと思う。それどころか、とても惹かれる。でも、それ故に、自分のために彼に厭な思いは味わわせたくない……。

フツウではない、それだけで傷つけられてきたヒロイン(といっても、身長177センチ、モデル並。身長に比して体重も平均。でも、それだと大柄、ということらしい)。それを押し殺して健気に生きている。誰か特定のひとに虐げられているのではなく、「世間」という不特定多数に遠巻きに、あるいは直接的に貶められ続けてきたのだ。
HQでは、珍しい設定だと思う。高身長はそれなりにあるのだが、まあそれを上回るヒーローがぽーんと登場する訳だし。でも、この珍しい設定でも、やはり「全ての、どんな女性にも夢とロマンスを」がおそらく信条のHQ、らしいと言えばらしいではないか。

ヒーローがとにかく彼女の人柄に惹かれてしまい、外見は二の次(しかし、彼にとっては十分に美しい女性であると思っている)で、積極的にアタック、戸惑いつつも嬉しく思い時間を共有するふたりにぐっときた読者も多いのではないかと推察。

正直、コミカライズを担当なさった香住さんはBLがメインの方なので、それ程好意を寄せてはいなかった。いや、「仕事」として彼女なりに誠実でいらしたとは思うのだけれど、男女カップルではなく、野郎同士がお好きだからこそBL作品で頑張ってこられたのだろうし、何も「無理に」HQ描いて頂かなくても、と思っていたのだ。今回のこの作品は、「作品に対する誠実さ」が滲み出ていて、読んでいてとても嬉しくなった。と同時にこれまでの私の考え方が失礼であったと反省。

また、アルツハイマー病という重い問題も扱っているのだが、これに関しても重くなり過ぎず、かといって軽んじるでもなく、きちんと描かれてあってそこも良かった(その点は勿論、原作も良かったのだと思うけれど)。

元々はホットな作風の「ディザイア」レエベルから出た原作をここまでハート・ウォーミングに仕上げたのも良かったと思う。久々に「残る」作品だったなあ(悪くはなくても、心に「残る」か、というと別問題なので。もうタイトルとコミカライズ担当者だけではどんな作品だったか思い出せないものも多いので)。良かった。

来月は夏よしみさん(だ、大丈夫か!?)、知原えすさん、宮本果林さん(ひー)、田辺真由美さん(初登場。うわー、「ボニータ」時代よく読んでたー! 「風花の賦」大好きだったよー。←日本の、ちょっとマイナアな時代と場所を舞台にした歴史モノで、ものすごく好きだった。コミックスまで買った)というラインナップ。……何かが不安だ(笑)。田辺さんがHQ、というのには期待してみよう。……夏さん、今回は大丈夫かねえ。またオトさないといいんだけど。
ハーレクイン 2008年 08月号 [雑誌]
B001ANOG7O

3作目は別府ちづ子さんによるコミカライズ。本誌描き下ろしはちょっと久々かも。

オレンジが実るとき (ハーレクイン・ロマンス)
Susan Stephens 原 淳子
4596119341


コミカライズ担当:別府ちづ子(カラー有り/描き下ろし)

スペインのある島を訪れたヒロイン。生前一度も会ったことのない父親が自分に遺産を残してくれたというのだ。父には正妻がおり、自分の母はそうではなく、これまでに顧みられたこともなかったために心中は複雑。だが、土地の様子や父を慕ってくれていた人々と触れ合うことで彼女は決心する。
オレンジ農園をかつてと同様に再建する。そのためには少しばかり対決しなくてはならない人物が居た。それは彼女が海で波に攫われそうになった時に助けてくれた、勇敢で美しい富豪の男。水利権について彼の元を訪れ、計画について話すと、突き放すでもなく話を聞いてくれた。しかも、その後彼が雇った人間たちが荒れ果てた彼女の父の家や農園の手入れをしてくれるではないか。
怖ろしい土地の実力者だと聞いていたのとは裏腹な態度に困惑するヒロイン。どんどん惹かれてゆくのがわかる。けれど、彼には美しい妻と可愛い子供が居るのだ……。

どういう訳か「地中海方面に残された遺産を相続すべく故郷のイギリスを離れるヒロイン」のお話である。今月号の1作目もそんなんやんけ↓ 1作目の舞台はイタリア、こちらはスペインだけど。いずれにしてもラテン野郎がヒーローで。何でこう、カブるような話を選ぶのであろうか。テイストが近くなるからやめて欲しいんだが。シークものが一冊に2篇、とか、とにかくカブるのは避けて欲しい。

もっとも、物語そのものは楽しかったけれど。かつて父親に捨てられて、母子で厳しい生活を送ってきた割に、ヒネた所のない前向きなヒロインは魅力的。おまけに別府さんのテイストが盛り込まれるからただの美女にならないところがいい(コミカルな描写をされちゃって、折角の美人がダイナシであった・笑)。
少女まんがのセオリィとしては正しい「美しさ」を持つヒーローも、何となく「ああ、うん、ラテン系ってカンジ?」と思わせてくれるし(どんなんだソレ)。

おそらく色々細やかなエピソオドもあったとは思うけれど、必要な所のみをキレイにまとめ上げてそつなくまとめてあるのは流石。ひねりは無いけれど、純粋にロマンスを楽しめる。
ただ、最初から比較的穏やかで優しいヒーローであったために、ありがちな衝突が無く、そういう意味では情熱的というよりもドラマティック、くらいのノリになっているので、ラテン系ヒーローとの行き違いに苦悩し涙するヒロイン、を期待される向きには少々物足りないかもしれない。
ほどよいサスペンスも加わって、ホントにキレーなまとまりっぷり。ベテランは違うわ。

ちなみに、私のまとめた粗筋では、HQにあってはならぬ「不倫モノ」!? と心配される方が居るかもしれませんが、その辺りは読んでのお楽しみです。

まあ、ベタ展開だけどな。

別府さんが描かれると、シリアスでも何処か必ずコミカルな描写や展開があって、最終的にはほのぼのした気分になれる作品に仕上がるような気がする。
ハーレクイン 2008年 08月号 [雑誌]
B001ANOG7O

さて2作目行ってみよう。……でもこの2作目がねえ。別冊だった「マリエ」やらとクロスライン企画で、この「本誌」で3部作全部が発表された訳ではなく、他誌と連動しての発表なものだから、その他誌を読んでないと全作は読めないという状態。買わせるための戦略としては悪くはないけれど、読者にはちょっと不親切というか……うーむ。

プリンセスへの旅―カラメールの夢物語〈1〉 (シルエット・ロマンス)
Valerie Parv 沢 梢枝
459641064X


コミカライズ担当:高山繭(カラー有り/描き下ろし)

架空の王国・カラメールを舞台にした物語の続編3部作の1作目(この3部作に先立つ3部作、つーのがまた別個にあるのだよ)。
懸賞に当選し、カラメールまで子連れで旅行に来たヒロイン。どういう訳か到着した空港には軍隊と、彼等を従えるゴオジャスな男性が。子連れ優先だから別室へ、と案内され安心したのも束の間、先ほど見たばかりの男性が其処に居るではないか。自己紹介されて彼女は驚く。その名は王族の者であることを示しているではないか!
そこでヒロインは驚愕の事実を突きつけられる。懸賞に当選したのではなく、当選すべく仕組まれていたこと。彼女が実は現大公の孫娘でありプリンセスであること――
身柄を拘束されるようにして王室へと連れてゆかれるヒロイン。そこで彼女は突然プリンセスとして生きることと、息子もまた王子としてカラメールで生きることを強いられる。当然反抗するヒロイン。けれど、国を愛するヒーローに君の息子が受け継ぐことになるのは単純に「王位」といった地位や名誉ではなく、面々と受け継がれてきた歴史や想いなのだと言われ戸惑いつつも受け容れようと努力する。
王子として育てるために引き離されそうになることを拒絶し、母親としての責任と自覚を明示して見せるもののなかなか認めて貰えない。だが、自分を王宮へといざなった男はその心情を汲んでくれるようになった。
互いに惹かれ合い、婚約することに。だが、そこには自分だけが知らない秘密があった。

面白かった♪ 高山さんもお上手だなーVv 架空の国カラメールを丁寧に描写しているのもいいし、ヒーローとヒロイン、それぞれの感情や思惑を丁寧に描写してあって、いい。
所謂ロイヤル・ロマンスものだけれど、キラキラしいだけではないのがいいなあ(そもそもキラキラしいだけが王室ではないけどさ)。かといって、政治問題やらが極端に複雑に絡むでもなく、その辺りもうまく処理してらしてとても良かった。

正直に言えば、高山さんの絵は、わかりやすい、正統派美女・美男ではない。けれど、個性があって魅力的。ヒーローが王族で気品を持ちつつもどこかワイルドな印象があるのもいいなー。

ロイヤル・ロマンスって結局は継承問題云々に着地するんだけど、これもやはりそうだった。ううむ。まあね。立場と歴史があったら、そりゃ単純にホレたハレた言ってる場合じゃないけどね。おまけにヒロイン、シングル・マザーだし(もっともちょっと前にそういう女性と結婚した王族の方が海外に実際にいらしたけど)。子供の父親なんてもう影も形もない存在で、でもそれをあーだこーだ言われない(とりあえずは少なくともヒロインがプリンセスで、彼女が産んだのは事実だから)で済むのも日本だとあり得ないよねーと。日本もそこまでユルければ良かったのにねえとか、物語に関係ないことまで思ってしまったではないか。

何はともあれこれは面白く読めた。ちなみに、3部作の内、コレともう一話は読めたけれど残り一話は読まないまま(ちなみにそれは第2作目)。
全部違う作家さんたちによる競演で、面白い試みであるとは思うけれど(今回はどの方も絵的にも構成としても読ませるのがお上手な方だったからそう思える。これでちょっと絵が雑なひとだとかが入っちゃうとがっかりしてしまう)、同じひとでの三部作のがいいなあ、基本的には。
ハーレクイン 2008年 08月号 [雑誌]
B001ANOG7O

表紙は巻頭も飾った浜口さん。すっかり常連になられた感があるなあ。ヒーロー像によってはあまりに華奢でちょっと抵抗があったりもするものの、基本的には美麗な絵を描かれる方だしまとめ方もお上手なので読むのは楽しい。

誘われた花嫁―魅惑の兄弟〈1〉 (ハーレクイン・イマージュ)
Lucy Gordon 片山 真紀
4596217475


コミカライズ担当:浜口奈津子(巻頭カラー/描き下ろし)

イギリス人の父を幼くして亡くし、イタリア人の母もまた数年前他界。借金をして凌ぐしか無かったヒロインに、突如イタリアの大叔父が亡くなり、彼が所有していた農園の債権を残してくれたという連絡をもらう。一路イタリアはフィレンツェへ。
そこで何者かに突き飛ばされ車道に倒れ込み、あわや惹かれそうになる。車から怒りも露わに出てきた男は彼女を詰った。もうひとりの男は親切に彼女を心配する。
そのふたりこそが彼女によって差し押さえられている農園の主である兄弟だったのだ。これから偲ぶ会に出席するという彼女に兄の方は牽制してくるものの、実際出席してみれば確かに針の筵。おまけに彼女の権利を欲しがっているらしき怪しげな男まで近づいてくる。それを助けてくれたのもまたその兄弟だった。
兄はいつも彼女にきつく当たり、弟は優しく接する。だが、兄である男は彼女を牽制しつつも、ただ冷たく意地の悪い訳ではない面を見せ始める。動揺しつつも惹かれつつあることを自覚するヒロイン。
農園と彼を救いたいと思った彼女は自らプロポオズするものの、過去を持つ男は遠ざけようとする。その矢先、弟からプロポオズされてしまい――

2部作「魅惑の兄弟」(なんつー直球な↓)の第1話。兄がヒーローとなる物語ではあるけれど、優しくも情熱的な彼の弟もまた物語に深く関わる。

ホントに、まとめるのはお上手だなあ、と。男性キャラふたりの個性の違いもよく出てるし、それぞれの葛藤もイイカンジ。ヒロインはまっすぐで気だてよし(気は強めだが)。

するするっと読めてしまった。ヒロインを一途に愛している弟が勿論次作のヒーローな訳なので、どんな女性と恋に落ちるのかが楽しみ。

クセなくそつなくキレイにまとまった一作。イタリアが舞台ではあるけれど、何しろヒーローは農園主なので、煌びやか~というよりも地に足の付いた男性、ちうカンジだと思うがそこは浜口ヒーロー、何処のモデルさんですかな美麗イケメンで、農園とは何だか縁遠そうなというか都市部の方がお似合いよというか(笑)。でも、美しい農園をバックに、も悪くはなかったわよん。
  
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