冷めぬ熱、覚めぬ夢。

読めなくはないのだが、…。

やじきた学園道中記 27 (27)
市東 亮子
4253091989

まず表紙のカラア・イラストで少しばかり黙り込む。……手塗りの方が断然美しく繊細な絵を描かれる方なのに、何故まだツールとして使いこなせている、とは思えない段階での「習作」をカオである表紙に使ったんだろう、とかなり残念…というかことばもなかった。出来が悪いというよりも、CGで出せる美しさや繊細さが出せていない、手塗りの時の方が断然美しい故に「もっと習熟なさってから発表されては…?」と思ってしまうのだ。シロウト目にも「プロの方に言うのは何だけど、こんなにお上手でも掲載されないの?」というケエスを見てるだけに余計なあ(某有名まんが家さんが、シロウトの投稿ペエジにCGイラストを送り、何度もボツを喰らった、というものをHPで公開されているのを見たことがあるのだが、失礼ながら今回のこのコミックスで使われたイラストの数段上を行く美しさだった。もっとも、「CGが美しい」「技術がある」ことと、「絵そのものに魅力がある」というのもまた別なのであるが。上手くても魅力的ではない、というモノもやはりあるわけで)。CGで描くことの利点が感じられないだけにより気になるなー……。もともと繊細なカラアを描かれるだけによりアラが目立つとでも言うか。趣味で飽きるほど描いてこれでもかと機能を使いこなせるようになったらどどんと公開! の方がよかったなあ。

肝心の内容。これがまた。どうしていいものかと。
まとめて読む分にはそれなりに面白さも感じないでもないけれど、これを雑誌で毎号分断されつつ読む、というのは正直ツライかな、と思った。今まででもっとも冗長で、もっともテンポがスロウ、もっとも登場人物が多く、もっとも……面白いと感じられない。多分大団円(というものがあるのだろうか、この話の場合)が来れば「うーん、読んだなあ」「面白かったあVv」と感じられるようになるのであろうか。前までは次号(巻)が楽しみ、だったものだけれど、今回は「次巻が心配…」だもんなあ。
とにかく物語が進展しない。同じことを繰り返す。「やじきた」コンビの活躍はさほどなく、周囲のヒマな貴人(奇人)どもに振り回されているだけにしか見えず歯がゆいことこの上ない。もっとこう、スカッとしたいもんなんだが。でもって今までの大抵の話ではスカッとしたもんなんだが。どうしちゃったんだろう。
赤目という土地と、日本史マニアにはオイシイネタと、それと「やじきた『学園』道中記」という作品があまりかみ合ってない気がする。妙にビジネス、というかオトナの世界が食い込み過ぎてて(しかも学園生活・学生という立場の人間にさほど直接的に関わってこないため、妙に生臭いハナシになっちゃってる気がする)、これからの展開への伏線しか感じられないし(人物相関図をつくろうものなら何がなにやら、になりそう)。アクション・シーンも以前ほど燃えないなー……。そもそもやじきたが活躍してないからな。登場人物も話も錯綜し過ぎてて、どこにどう焦点を絞りたいハナシなのか判然とせず。どうでもいいと思っちゃうようなキャラの活躍(?)ばかりが目立つ目立つ。これ、どう決着つけるんだろう。そろそろ終焉に向かって動き出してはいるようだけれど。いや、終わっていただかないと困るんだけど。こんだけ引っ張ったんだから、さぞやスカッとする爽快にして納得のいくラストが待ってるんだろう(でないと悲し過ぎる。盛大に始まって尻すぼみ、ではあまりに悲し過ぎる……↓ いちばんモヤっと感が残りそうなのが「微妙に多大な謎ばかり残して本来読者が望むような解決というものがなく、一応丸く収まっただけの何処かもやもやしたラスト」ってヤツなんだけど。個人的には。そりゃ今後また連載があるかも、と感じられるかもしれないラストでもあるんだけれど)。

巻末のおまけまんが「がんばれ鎌足くん」も微妙だ↓ 今までと同じく、「小劇場(やじきたのキャラたちがドラマや古今東西の名作の登場人物に扮して楽しませてくれるコミックス恒例のおまけまんが。配役の妙や、本編と絶妙にカブる台詞回しや展開のぶっ飛び具合が素敵)」のが楽しいよ〜〜↓↓↓

主線もペンが変わったのかそれとも筆圧等の関係なのか、妙に荒れて見えたりも。ざりざりしたカンジに見える。気のせいか?(それでいて姫御前なんかは妙につるりとまろやかな線で描かれてるんだが)

すでにかなりの分量と冊数を費やして、私が見ることが叶ったのは「小物がしゃしゃり出てメイン登場人物を振り回して遊んでるだけ」と「学園が学園にして学園にあらず」なとこくらいで御座いますよ。ひと多過ぎです。詰め込み過ぎ…の割に満足感はちょっとスカスカなカンジ。ああ、面白く終わってくれええええ!(で、ちゃんと続いて欲しい……)
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