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2005-12-03 Sat 22:40
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教養ヴァラエティ系のTV番組とゆーものにはあまり期待するもんじゃないな、と改めて思って終わってしまった↓ なまじ自分が僅かなりとも知っていることとなると尚更いかん↓ 私の学生時代の卒論は「八犬伝」で書いたのだ。
何年かぶりに「世界ふしぎ発見」を観た。「八犬伝」が取り上げられるから。何で今「八犬伝」? と思ったら、何のことはない、放映TV局の新春特別企画時代劇が「八犬伝」なんじゃん↓ 番宣代わりの企画ものですかい。んもう、出だしでまずがっかり。いや、そのドラマそのものは楽しみにさせてもらいますともさ。ええ。見せてもらおやないの(何故喧嘩腰??)。でも、ホントに、何で今「八犬伝」?? いや、嬉しいけど。 もう途中から何を「典拠」にしたのかわかりまくりだったので、いっそ冒頭からきっちり紹介して、それを元に構成・解説・展開してます、と明瞭に視聴者に断れ! と思ったじゃないか。 完本 八犬伝の世界 高田 衛 ![]() 一応番組のEDでこの著書の名がチラリとテロップに登場はしたものの、やれ「八犬士が8人なのはどうしてか」「8人の内2人が女装の犬士だったのは何故か」「何故牡丹の痣なのか」等々、そんなものはかの高田氏の御著書を拝読していれば自明の理でしかないのだ。ええい、殊更にあれこれ調べたかのよに披瀝しおってからに! 一冊の本ちょっと熟読してオイシそーなとこ持ってきただけやないかーい! 何か、あれこれ調べ、自分なりに論を組み立て、それを自説として発表し反論も受けて立つ「研究者」に対して失礼な気がしたぞ(せめて、新たな説をひっさげた論者・研究者くらい居れば面白かったかもしれないけど。まあ、それは無理と言えば無理。近世専攻者がそもそも少ないし、大家とお呼びできるほど突出した方もまた少ないのだ) ちなみに、初心者にはこの文庫よりも新書版の方が読み易いと思う。そもそも新書とゆーもんが、そういうモノなので(知られていない分野も分かり易く簡潔に面白く、が新書の信条だと勝手に思っております)。文庫版は増補どころか新たにまとめ直された部分も多くて、ある意味入り込みづらいところがないでもない。 高田氏のこの著書はそもそも随分昔に中公新書から出版され、当時の学会では話題の書であった。おまけに、高田氏の論述に対して堂々と反論が学術誌に掲載され、それに対する反論まで掲載、とある種のセンセーショナルなデキゴトですらあったのだ。事実、「八犬伝の世界」は目から鱗がボロボロスロットのコインくらいの勢いでこぼれてきそーな面白さに充ち満ちていた。それ故に、その説をよしとしない学者も居たし、異説・異論も当然のようにあった。それでも、今では「八犬伝」研究者にとっては「古典」になっていて、これを読まずして「八犬伝」を語るなかれ、てなもんである。故に、それを元に番組つくるのは、まあ、いいんだが。 あんだけ依拠しておいて最後テロップの一文で終わりですかそうですか。がっかりだな。とりあえず、番組観たくらいで知識も教養も身に付かない、ということだけははっきりわかったよ……↓ あれは、「プロの仕事」の、それも孫引き程度でしかないから。簡潔にまとめるのはお上手ね、と言ったところか。でもって、諸説言われてる(研究されて、その成果が発表されている)ワケだから、「これこそがただひとつの定説!」という印象も与えるようなあの言い切りもどんなもんかと。いや、確かにインパクトのある論説だったのだ。でもって、定着もしてるし(私も論文書く時は参考にした。しないで済む訳もない)だからこそ学会騒然(というとやや大袈裟だけど)な論戦まで起きたんだし。 何とももやもやするわー。ついでにまんがまで思い出すし。 X illustrated collection 1 X0〔ZERO〕〈new version〉 CLAMP ![]() 脚本担当の大川氏はかつて「八犬伝で卒論書く」と某まんが情報誌「ぱふ」のインタビュウでまで公言していたくらいだし、確か高田氏の御著書も拝読していらした筈で、……故にこのひとの書くハナシは極端に言えば「大川版八犬伝」ばっかりである。その代表作が「X」。「北斗七星にはひとつの添え星が…」云々まで思いっきり出てくるしなあ。地球の存亡をかけて対峙する(してるのか、あれ。よくわからんな)7人ずつ居て二派に分かれ存在するグルウプ(? 「7つの封印」「7人の御使い」と称して二派居るのだが、色々あって入れ替え・脱落可能・笑)に、コアになる存在だのとまあ一致する符号は山盛り。デビュウ作の「聖伝」も「6人」ではあるけれども散り散りになっていた者たちが予言の元に集結する、というのも「八犬伝」ちっくだ。「高田版解釈」が如何に影響を持つものか、と思ったなあ、同時から。 とゆーわけで、間違ってもあの番組観たくらいで「八犬伝の面白さが、すべてがわかった!」とか言うような純真無垢なべいびぃちゃんは居ないだろうが、知ってるひとにはがっかりだったよ、な内容であったことだけは言っておきたい(ああ、でも、アレをきっかけに「八犬伝」に新たに興味を持つひとが出てくるのは嬉しいかも。つか、その程度でいいのか、そもそも、てれび、とゆーのは)。うっかり期待しちゃった私が馬鹿だったよ、くそう! 思えば1時間枠(つまり、正味の時間はもっと少ない)で語り尽くせるモノなどそうそうあるわけではないんだから、エッセンスを如何に巧く取り出して楽しませるか、がキモなんだろうから、あの番組、あれはあれでいいのか。そうだよなあ。はははははは。 |
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| 拠火園雑録 |
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