帰らぬひと、還らぬ魂。
2006'03'26(Sun)22:31
新世紀エヴァンゲリオン (10)
貞本 義行 GAINAX

朝食をつくりながら、我慢出来ずに読み始めた(どうも昨日の内にあまぞんから届いていたらしいのだが、メエル便故気づかなかった↓)。
朝っぱらから号泣かよ。
9巻からもう2年も経過してたっけ!? それはそれで吃驚だ。貞本氏が遅筆なのかはたまた多忙故なのか(どっちも?)。毎月掲載される訳ではないためにどうしてもコミックスの刊行が遅くなる。でも、待っただけの物語が詰まっている。それも、あまりにせつないそれぞれの感情とともに。
使徒に浸食される綾波。誰もそれを止められない。浸食されながら、綾波はもうひとりの自分――あるいは気づかなかった、気づこうとしなかった、自分の「本心」と対峙する。
碇クントイッショニナリタイ。
生まれて初めて零れ落ちた涙と、溢れ出す感情。EVAに搭乗することを拒んでいた筈のシンジが綾波を助けたい一心で綾波の元に向かう。「使徒」は彼女の心そのままに、シンジの元へと伸び、彼をも浸食しようとする。
機体を捨てれば助かることは出来る。でも綾波はそれをしない。そんなことをしたら、――大切なひとをも巻き込んでしまう、から。
閃光とと共に消えたもの。大切なナニカ。本当は自分の中にあった確かなモノ。
綾波が死んでしまったかもしれない。そのことを考えたくなくて、シンジはカヲルの元に逃げ込む。カヲルのことは好きになれない。それでも、綾波を唯一気にかけない人間だからと彼の元へ逃げ込んでしまう。
そこにもたらされたミサトからの知らせ。
「レイが生きている」。
綾波の元に駆けてゆくシンジ。安心した彼に、その少女はこう告げる。まるでひとが変わったように、無表情なまま。
「私は多分3人目だと思うから」
さんにんめって何だよ! 私はいつもアホみたいに泣いてしまう。どんな人間もたったひとりではないか。替えのパアツがある、その容れ物としての肉体と、それに宿らせられた魂を持つ少女。彼女は何時になれば彼女になれるのだろう?
子供の頃に、子供のままに、子供とは思えぬナニカを秘めたまま殺された「ひとりめ」。
感情を持ってはいても表し方を知らない少女だった「ふたりめ」。
そして「さんにんめ」。
私が愛しいと思っていたアヤナミは「ふたりめ」、なのだろう。でも、それならば、「代わり」として存在する「さんにんめ」はどうなるのだ。「ふたりめ」も「さんにんめ」もあるかよ! アヤナミは「綾波レイ」というひとりの少女として生きることすら許されない。
そんなカナシイことがあるだろうか?
アニメ版に比べ、より繊細により生々しくレイの心情が描写される。アニメでも十分痛みを伴う内容だったのに、より胸に迫る。痛い。シンジの内面もまた掘り下げられている。一緒に生きようと約束した綾波が死んだかも知れないと絶望したそのあとに突きつけられた「現実」がより強い絶望感を与えるものとなって現れる。どこまでもどこまでも残酷である。
シンジやミサトに「真実」を突きつけるリツコもまた傷つき救いももたらされぬままひとりその苦痛に耐えている。ひとりのおんなとして必要とされたかったのに、何処までも、消えてしまったおんなと、何度でも現れる少女とに苦しめられる。
アニメではインパクトこそ強かったもののさほど「活躍」はしなかったカヲルだが、貞本版では謎めいた、思惟はあっても感情が欠落したような少年としてシンジの近くにつきまとうように存在している。レイの思念が流れ込んだために、どろどろと渦巻く未知の感情を彼もまた知り、シンジを翻弄するかのような態度を取るのだが、自分自身でもまだその感情が如何なるものなのか理解しきれていないようで、そのことに何処かで苛ついている(……少年誌でエライ展開させましたな、と大変吃驚致しました……。一部の女性ファンは狂喜乱舞だったのでしょーか……。個人的には、その展開に至るまでの道程がそれなりに描かれているので、どういう意図で「そういうこと」になったか何となく理解出来た気でいるので、さほど嫌悪感等はなかった)。今後の展開にどうかかわっていくのかが気になる。
繰り返し失われる存在としてのレイ。シンジに触れたい、シンジと一緒になりたいと願った彼女はもう居ないのだ。けれどそこに居る。
居ないけれど居るのだという「存在」として、そこに、居る。シンジと、周囲の人間たちと触れ合うことで培われたナニカや記憶、思い出のすべてを失ったまま。
キミハ、タッタヒトリ。
いつ、どんなときも。
貞本 義行 GAINAX

朝食をつくりながら、我慢出来ずに読み始めた(どうも昨日の内にあまぞんから届いていたらしいのだが、メエル便故気づかなかった↓)。
朝っぱらから号泣かよ。
9巻からもう2年も経過してたっけ!? それはそれで吃驚だ。貞本氏が遅筆なのかはたまた多忙故なのか(どっちも?)。毎月掲載される訳ではないためにどうしてもコミックスの刊行が遅くなる。でも、待っただけの物語が詰まっている。それも、あまりにせつないそれぞれの感情とともに。
使徒に浸食される綾波。誰もそれを止められない。浸食されながら、綾波はもうひとりの自分――あるいは気づかなかった、気づこうとしなかった、自分の「本心」と対峙する。
碇クントイッショニナリタイ。
生まれて初めて零れ落ちた涙と、溢れ出す感情。EVAに搭乗することを拒んでいた筈のシンジが綾波を助けたい一心で綾波の元に向かう。「使徒」は彼女の心そのままに、シンジの元へと伸び、彼をも浸食しようとする。
機体を捨てれば助かることは出来る。でも綾波はそれをしない。そんなことをしたら、――大切なひとをも巻き込んでしまう、から。
閃光とと共に消えたもの。大切なナニカ。本当は自分の中にあった確かなモノ。
綾波が死んでしまったかもしれない。そのことを考えたくなくて、シンジはカヲルの元に逃げ込む。カヲルのことは好きになれない。それでも、綾波を唯一気にかけない人間だからと彼の元へ逃げ込んでしまう。
そこにもたらされたミサトからの知らせ。
「レイが生きている」。
綾波の元に駆けてゆくシンジ。安心した彼に、その少女はこう告げる。まるでひとが変わったように、無表情なまま。
「私は多分3人目だと思うから」
さんにんめって何だよ! 私はいつもアホみたいに泣いてしまう。どんな人間もたったひとりではないか。替えのパアツがある、その容れ物としての肉体と、それに宿らせられた魂を持つ少女。彼女は何時になれば彼女になれるのだろう?
子供の頃に、子供のままに、子供とは思えぬナニカを秘めたまま殺された「ひとりめ」。
感情を持ってはいても表し方を知らない少女だった「ふたりめ」。
そして「さんにんめ」。
私が愛しいと思っていたアヤナミは「ふたりめ」、なのだろう。でも、それならば、「代わり」として存在する「さんにんめ」はどうなるのだ。「ふたりめ」も「さんにんめ」もあるかよ! アヤナミは「綾波レイ」というひとりの少女として生きることすら許されない。
そんなカナシイことがあるだろうか?
アニメ版に比べ、より繊細により生々しくレイの心情が描写される。アニメでも十分痛みを伴う内容だったのに、より胸に迫る。痛い。シンジの内面もまた掘り下げられている。一緒に生きようと約束した綾波が死んだかも知れないと絶望したそのあとに突きつけられた「現実」がより強い絶望感を与えるものとなって現れる。どこまでもどこまでも残酷である。
シンジやミサトに「真実」を突きつけるリツコもまた傷つき救いももたらされぬままひとりその苦痛に耐えている。ひとりのおんなとして必要とされたかったのに、何処までも、消えてしまったおんなと、何度でも現れる少女とに苦しめられる。
アニメではインパクトこそ強かったもののさほど「活躍」はしなかったカヲルだが、貞本版では謎めいた、思惟はあっても感情が欠落したような少年としてシンジの近くにつきまとうように存在している。レイの思念が流れ込んだために、どろどろと渦巻く未知の感情を彼もまた知り、シンジを翻弄するかのような態度を取るのだが、自分自身でもまだその感情が如何なるものなのか理解しきれていないようで、そのことに何処かで苛ついている(……少年誌でエライ展開させましたな、と大変吃驚致しました……。一部の女性ファンは狂喜乱舞だったのでしょーか……。個人的には、その展開に至るまでの道程がそれなりに描かれているので、どういう意図で「そういうこと」になったか何となく理解出来た気でいるので、さほど嫌悪感等はなかった)。今後の展開にどうかかわっていくのかが気になる。
繰り返し失われる存在としてのレイ。シンジに触れたい、シンジと一緒になりたいと願った彼女はもう居ないのだ。けれどそこに居る。
居ないけれど居るのだという「存在」として、そこに、居る。シンジと、周囲の人間たちと触れ合うことで培われたナニカや記憶、思い出のすべてを失ったまま。
キミハ、タッタヒトリ。
いつ、どんなときも。