拠火園雑録

緑ノ指デ、描ク庭。

何処行くんだ。

エア・ギア 18 (18) (少年マガジンコミックス)
大暮 維人
4063638650

確かに、「エア・ギア」の1巻を思えば、この展開も無くは無いんだろうなあ、くらいは思う。何しろ、描写されないだけでAT(エア・トレック)ライダーによる暴走・抗争・死亡者発生の事実は明示されていた。
しかしなあ。もうライダー同士の「闘い」というよりも、己の野望を達成したいだけのバカに「これから殺し合いをしたいと思います」と宣言されちゃったような感じで、空を駆けたい・飛びたい、といういい意味での単純な思いなんて何処にも無くなっていて、ヒトゴロシの道具に成り果ててるかのよーなんだもの。

それも、今後の展開のためだろうとは思うけれどもだな。

まずは、物語の中の「真の黒幕」が誰なのかが明かされ、その人物の野望と対立せざるを得ないと判断したスピットファイア、彼と共闘することにしたアイオーンのバトルがメインの1冊。もう主人公なんて見る影もねえよな状態。愛しの林檎をさしおいて、くるくるが出張って鬱陶しいし(怒。すまん、林檎至上主義なのだ。……くるくるの「イイコなの悪気無いの純粋でしょ健気でしょアナタがカナシイとワタシまで泣いちゃう!」的キャラがものっそい厭だ。鬱陶しい……。林檎なんて手も差し伸べられないままそれ黙ってみてるしか無いんだぞちくしょー!)。

そんな訳で、怒濤の展開を破竹の勢いで突き進む18冊目。

スピットファイアの、次世代へと未来を託すために闘おうとしたところだとか、「おまいなんぞキライじゃ!」と言わんばかりのクセに彼を助けて共に闘っちゃうアイオーンだとか、めがっさかっこいーんだけどさあ。如何せん、「真の黒幕」がなあ……。そこまでしたいキモチが今8,634(任意)くらい判らないんでなあ。そこまでして結局何がしたいのかがわからん。というか、理解しづらい、あまりにも。

とにかく、ただ飛びたい、トリックをキメたい、自分だけのATで駆け抜けたい、そういうシンプルなヨロコビに満ちているハズのATにライダーの存在が希薄になっていて、それがツライ。これからの伏線というか布石なんだろうけれど。イッキたち「子烏丸」のメンツの望みなんて、そんな「些細なモノ」だろうだけに、今の展開の重さが際立つと言えば際立つし、「???」と疑問符浮かびまくりと言えば浮かびまくりなのだ。
まあ「黒幕」が凶悪に描かれれば描かれる程、イッキたち「キモチよく走りてえだけ」の面々の立ち向かう様が心地よくなるだろうとは思うけれど。

もう、どのチームとどのチームの対立なんだか、小烏丸はどんな位置づけなんだか、そもそもシムカは何処まで「黒幕」の「野望」を理解していたのか、そして何のためにイッキにあれ程固執したのか、とかが意味不明になってしまっていて、これからどう収斂していくんだろう、何がどう明かされるんだろうということに対して、わくわく感もさることながら、ぼんやり不安も感じてしまう。よっぽどきっちり回収したり収斂させてくれないと、ただでさえ「ハテ?」な矛盾だの作者の記憶違いだの設定忘れ(ちうか、……後付け設定な……)だとかが多いから、ブレが生じそうで、純粋に楽しめるかがビミョーなんだもの。

主人公は「可能性」だけは相変わらず示されているものの、出番ほぼ皆無。おーい……。またウスィ〜〜のの方が頑張ってるよ……。林檎は「眠りの森」のリーダーと言われつつも、キリクばっかり出張ってるし。

面白くない訳ではない。これはこれで楽しんだ。ただ、あんまり人死にとか出さないで欲しいんだよなあ(復活しそうではあるけども)。確かに言い換えれば暴走族でつるんでヒトサマに迷惑かけてるような連中ではあるんだけどもー(ちうか、モデルというか原型はそういうヒトたちだが)。

今後真っ当な人間の真っ当な思考によって次第に解決されてゆくことを望むものであります、ハイ(あーそれ無理無理)。
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