|
北海道かるた 方言編
![]() 職場で、「フツウに」方言が口をついて出る、というか、「ごく自然に」出てくるのを実感するたび「ああ、この職場は自分にとって居心地がいいんだな」と思う。 私はどうも自分の生まれ育った地方の方言を好いていないらしい。 まあ好き嫌いでどうこうするものでもないのだけれど。何しろ生まれた時から環境の一部として存在していた訳で、否応なしに耳から入り記憶し話せる言語になってしまっている。なので、好き嫌いなんて関係なく話せるし話すし話してしまう。理解出来るし(時々あまりに頻度の低い単語を年配の方が口にしてきょとんとするが)、会話に困ることもない。その方言だからこその言い回しや味わいも感じて、それ故に楽しくなったり染み込んできたり、といい面だって勿論あるのだけれど、……時々とてもとても鬱陶しくなる。 ひとつには、やや語感や口調が乱暴なため。 何処の世界に初対面の人間に向かって「お前」なんて言い放つヤツがいるんだコノヤロー(英語ならば問題にならないことだな、そう言えば。会社の上役ズラリ居並ぶ所に "You guys" なんて呼びかけはそうはしないだろうが・笑)と思うのだが、私の住む地方ではフツウ。特に年長者・目上の人間→目下の人間、なんて珍しくも何ともない。皆が皆そうだという訳ではないにしても、目上→目下の「お前呼ばわり」の確率は高い。私はそれが大嫌いだ。年長だろうが何だろうが、親しくもないのにその呼び方はどうなんだ、としか思えない。近しい仲なら親しみを込めてると感じないでもないけれど、厭で仕方がない。「お前お前お前言うけどお前なんかにお前言われたくないんじゃ解ってんのかお前」と言ってやりたくなる。 ふたつめには、「この方言を話さぬ者はヨソモノである」という意識が滲み出ている輩が多いため。 これはホントに酷い。 他地域から夫の転勤のために越してきた方が仕事に就いて、それが事務職、電話応対なんかもあったりする、としよう。そうすると、電話をかけてきた相手はべらっべらのベッタベタの方言で話しかけてくる。解りづらいながらも必死で理解に努めようとし、応対する。が、相手は突然怒り出す。そして言い放つのだ。 「お前、何カッコつけてんだ。ちゃんと方言話せる奴を出せ!!」 ……はいバカですかお前は。この世に生きてんのはお前の話す方言を理解するヤツばかりじゃねえだろうが。 私の住む地域は、共通語を話す=カッコつけてる・田舎をバカにしているひと・態度、と思う人間(特に高齢者)が多いのだ。 これがもうコンクリィトの壁を蹴り壊してやりたくなるくらい嫌いだ。話せないひとだって居るよ。しょーがないだろう。強制するつもりなのか? 話せなかったら出てけってことか? そりゃないだろ。 この2点が怖ろしい程蔓延っていて、未だに消えないのが、とてもとても厭。そして、そういう意識がモロダシなままで平然としているひとが多いのも厭。 ――とまあそんなことがあったりするので、素直に方言満載な状況が好きになれない、気がする。そんな私がごく自然に方言まじりに話せる環境というのは、故に、居心地がいいんだろうな、と思う次第。 以前勤めていた職場では、不思議な程出なかったし、どうしてか口をついて出てくることはなかった。 面接の時に、ふいに訊かれたのだ。 「こっち(地元)の出身? ○○弁話せる?」 ……なんだそりゃ。実はそう思った。「生まれも育ちもココ、バリバリ話せる」と答えた。が、何故かこの職場ではその○○弁とゆーものが出てこなかった。もっとも、イントネイションやアクセントというレヴェルでは、それなりに地元の訛りそのままだったのだが。それでも、他のひとに比べれば確かに顕著とは言えなかったかもしれない。 そして、やや時をおいてこんなことを言われたのであった。 「○○弁、話せないのか? 客はそういうものを求めてんだよ! ええかっこしいだと思う客だって居るんだぞ!」 は、はあ。アレですか。京都言ってお店のひとに話しかけたら京訛り一切無くてがっかり、そんなカンジですかね。大阪行ったのに大阪弁じゃなく北海道訛りのひとに出会った、そんなカンジ? 東北旅してたらずーずー弁一切無かったなあ、みたいな? すまん、方言よりはコトバそのものが乱暴だったりクチの利き方・態度がなってない方が気になるし、京都のお店に入ったら東京出身のひとが店員だったからといってガッカリするかというと必ずしもそういうことも無いもんだから、そういうニーズを理解してなかった。 そりゃあ、「訛りは国の手形」だよ。京都行ってはんなりした京訛りで話すのを聞いたら何か和んじゃうかもしんないよ。大阪行ったらおっちゃんがベタな大阪弁使ってたら、他地域の人間としてはカンゲキすんのかもしんない。熊本行ったら「ばってん」言うて欲しかとですくらいは思うかもしれない。 が。それは自分にとって絶対必要条件ではない、のだ。 心地よく過ごさせてくれるひとなり店員さんなりがいいなと思うだけ。方言話せようが話せまいが、それは肝心なことじゃない。 事業所の求めるものを提供出来ない私に、そりゃあ馴染める筈もあるまい。そして、「強制」されて話す、のは何とも気分の悪いものなのだ。「自然に」出てくるからこその方言ではないか。無理矢理使うのは何だかオカシイ。 以前の職場のひとで、仲良くなれたのはごく一部(で、その仲良くなれたひとたちとはやっぱり自然に方言混じりで会話してた)。でも、特に仲良くなれなかったひとたちの中には、私以上に方言にまみれていないひとも沢山居た。……何故私ばかりがいちいち指摘され「方言で話せや!」と言われたんだろう……。そして、それを「強制」した部長とは最初から最後までソリが合わなかった↓(部長は勿論、方言バリバリで、「オレ見たら解るだろ! オレなんて何処行ったって方言まんまだ!」と。でも、それは部長の持ち味でもあって、それでこそな所が魅力でもあったので、一緒にされてもなあ、としか思えない……) あ。そういえば、今の職場、「表情が暗い」とかいちいち言われたこと無い。どんだけ前の職場と合わなかったのだ、私は! |
|
|
|
| ホーム |
|


