懐カシイノニ、新シイ。
Shiro SAGISU Music from“EVANGELION:1.0 YOU ARE(NOT)ALONE”
鷺巣詩郎 サントラ 
ようやく観てきた(涙)。しみじみと「ああ、ずっと好きで良かった」とか「ファンで良かったなあ」とか、そんなことを噛み締められるよーな出来で、素直に、単純に楽しんできた。続きも楽しみ。壊れようと真っ当な出来だろうと、何だっていい(そりゃあ、まあ、ねえ、「笑えばいいと思うよ」とうふふあはは笑って済ませるしかねえようなラストではない方がいいけれどもね)。真摯につくってくれた結果ならまずは何だって受け止める。
賛否両論のあのオリジナルの「EVA」ですら、私は愛した。今も愛してる。うむ。
まずは「時間が無い」的言い訳の感じられない、丁寧かつ細密なまでの映像・描写に呻らされる。特に、ジオ・フロントや都市の描写が今まで以上に緻密かつリアル。その都市の中を、架空の存在が恰も存在するかのように縦横無尽に駆け回り、街を揺らし破壊してゆくあの何とも言えない疾走感と何処か絶望とやけっぱちな希望に満ちた切迫した空気。もうたまらんですな。
着地する巨大な使徒の足と、その衝撃で罅の入る電話ボックス、揺れる電線(これはTV版でも見られたけれど)。揺らぐ大地、吹き飛ばされる戦闘機・重機。樋口さんッスか!? 今作では人物や物語と共に、要塞都市たる「第三新東京市」の「姿」や「動き」もまた丁寧な描写で、どこもかしこも見逃せない映像だった。シビレル。
エヴァそのものはデザインを本来そうする予定だった(んだっけ?)ものに変更となり、カラリングや細部に変更が。……相変わらず何だかウエストがふってえのは気のせいか。以前の劇場版でもウエストがぬーんとしていたのだが。私はやはり貞本ちっくなほっせえ腰のエヴァが好きなのだな。
エヴァが暴走したりシンジの狂気によって動く様はTV版に比べて更に格好良くシャープかつ気持ち悪くて(褒めてる)見入ってしまった。エヴァは何しろ人造人間、所謂ロボットではないのでなめらかでしなやかに動けるし動かせるのがキモ。それでいて無機的だったり動物的だったりするのがよい。そういうのが今まで以上にイイカンジで私のキモチも暴走しまくりだったぜ(キモイ文章)。
闇の中で光る、ボディ(というか、装甲、か)の蛍光のグリーンがまたいい。
使徒も少しリライトしてあって、より「生物」としての存在感が増したり、無機的にもかかわらず躍動感があったり不気味さが増したり、とオリジナルと比べるのが楽しい。
人物の関係性や内面の描写も、流れや台詞そのものは同じだったりするのに、微妙に異なるのが興味深い。ニュアンスが違ったり、削られたり、加えられたり。あえて詳細を語らず、けれど匂わせてあるそれぞれの心情が感じられて、深読み度UP。
大人の身勝手さと責任感の両面が以前以上に描かれていて、説得力が増した(でも、とりあえず、どうしてシンジが搭乗しなくてはならないのかという彼の疑問に対して、物語内で具体的に語られたり明確にされることはないまま。そういう意味では、シンジを主体に考えれば理不尽この上ないのは変わっていない)。
「ヤシマ作戦」がシンジを彼以外のナニカとを結びつけた最初の強い切欠となったように描かれていたために、物語中盤〜後半では主に「ヤシマ作戦」をメインに。
自分の居場所と存在意義を掴みたいが故にもがくシンジ、何処までもつかみどころのないレイ、シンジと積極的に関わりつつも深くは踏み込めずにいるミサト(今作では意外なまでにミサト大活躍。……いや、オリジナルでだって彼女は登場しまくっていたし、重要キャラでもあるのだが。何か、存在感がイヨーにあるんだよなあ)。
とにかく、無駄ではなかっただろうけれども敢えてカットしたか、あるいは最初からばっさり切ることで含みを持たせたりふくらみを与えるためか、TV版で語られたり描写されたことも潔く省略(?)。故に、テンポがよく、何だかあっという間に終わってしまった。「えええええええ! もっと! もっと観たいんだよ!」という気分のままで。
息もつかせぬ間にあれよあれよと物語が進む。饒舌さだけが「語る」ことではないのだと言わんばかりに。
CGの多用も、徒に頼るためではなく、描写するためにもっとも適切であり、かつそれが効果的であることが解るので気にならず(あまりにCGだらけでも、「別にこのシーンにそこまでしなくても観てるこっちは何とも思わないんだけど」とか感じちゃうもんで)。それどころか、CG故のリアルさや格好良さが際立っていた。12年の内に、物語内のテクノロジィの有り様も、現実のそれも随分と強化され進化したんだのう、と感心しまくり。
ややひっかかっていた宇多田ヒカルの手がけたEDも、思ったよりは良かった。宇多田ヒカルは大好きだし、「EVA」も好き。しかし、それをくっつけて嬉しいか、っつーと微妙だったのだが。でも個人的にはやはり及川眠子氏の詞で、高橋洋子女史の歌で、が良かったなー……。
何はともあれ、静かな興奮に満ちたまま、観て、気づいたら終わっておりました。……最後の最後にアレかい。アイツなんかい!
観るごとに懐かしさが募るのに、不思議な程あれは「新作」そのものでもあった。私にとってはこの作品を上回る、身の内に湧く「情熱」を意識させるものは現れないと思う。更なる10年は。最低でも。
とりあえず、最後まで観るまで死ねねえ。
2007/10/26 23:34 | えいが・DVD。 | Comment(0) | Trackback(0) Top


