冷めぬ熱、覚めぬ夢。

今月のHQCM。9

ハーレクイン 2007年 01月号 [雑誌]
B000KCHYSE

……どういう設定か全く分からない表紙だな……。というか、星合さんのデザイン(?)するふぁっそんがやや独特なだけ、かもしれないけれど。男性がスーツ系なのに女性は謎のドレス姿のために何が何やら(今号掲載作品がヒストリカルだから? ってそれも意味わかんないよな)。
何だか忙しくて熟読出来ないけれど読むだけは読む! てな訳でれびうすたーと。

スキャンダラスな関係
ジュリア・ジャスティス 大谷 真理子
4596321531


コミカライズ担当:星合操(巻頭カラー/描き下ろし)

先月に引き続いての後編。……ちょっとなあ……。メイン・キャラクタアまで、いくらロングとは言え御本人以外が描いている(あるいはペンを入れてる)というのは如何なものか。巻頭まで飾って、2ヶ月に渡って掲載してもらえるという、若手や巻頭を飾る所までは言ってない作家さんたちから見たら羨ましい限りだろうに、……手抜きをしてると言われても仕方のないことをなさるとは……。この出版社では重用されている作家さんだと思うのだけれど、こういうことを許容してしまうのは如何なものか。
内容以前の問題だと思う。全体的にペン・タッチも雑に思えるしで、もっと丁寧に仕事をして欲しいなあと。
ヒロインが貴族の令嬢の割にタフで気概のあるタイプ(身分違いの男性と結婚→新天地を求めて戦地でもあるスペインに渡航→夫に先立たれて子持ちの寡婦となる→店を開き自活、貴族であることを公にしないで過ごしていたものの、後に訳あって身分を明かす)、ヒーローがちょっとモタモタして見えるお馬鹿さんな所は、ツボなひとにはツボなんだろーか。ううむ。

異国の薔薇
ナリーニ シン Nalini Singh 山田 信子
4596511284


コミカライズ担当:浜口奈津子(カラー有/描き下ろし)

砂漠もので登場。珍しく、中東某国のプリンセスにアメリカ人の富豪、という組み合わせ(大抵砂漠モノと言えば逆で、イギリスやアメリカ出身の女性がシークだの何だのと恋に堕ちる、のが定番)。
無理矢理結婚させられそうになったプリンセスが逃亡を謀り、たまたま自国を訪れていたアメリカ人男性を頼る……ものの、深夜に決行したために夜這いに来たものと思われてそのままいただかれちゃいそーになる所を逃げ出す。翌日、父王が彼と結婚しろと命令するではないか。聞けば婚資を十分に支払ったという。カネで買われたのだと思いつつも、彼に惹かれている自分を偽れない。そのまま男の故郷に渡ることになるのだが、彼に惹かれながらも上手く受け容れられない彼女とは距離を置くヒーロー。さあ、どーなる?
……つー感じの物語なのであるが。相変わらず、「少女まんがとしては正しい文法で描かれた絵だがHQ作品としては問題アリ」な絵で華麗に展開なさっておられる(笑)。やっぱり男女共に線が細いので、男性キャラが「極貧から実力でのし上がったタフな男」とゆーよりもジゴロか何かに見える(言い過ぎか)。いや、綺麗な絵なんですが。ヒロインも魅力的だけど、中東出身にはとてもじゃないが見えませんのう……しょーがないけど。あんまりリアル過ぎてもそれはそれ。かといって、あまりに少女まんがし過ぎていても何だか違和感。難しいところですな。
お話そのものは思っていたよりも楽しめた。……とりあえず、オフィスものとかの方がまだイケるよーな気がする。

愛に気づかずに
ベティ・ニールズ 柿原 日出子
4596118132


コミカライズ担当:くればやし月子(カラー有/描き下ろし)

くればやしさん、通常ペエジ数で登場。宣伝まんが(これがまたわっかり易い如何にもな広告まんがでねえ…。それに加えてHQタッチの物語の展開にさせるんだよ。何だか描かされる方が気の毒でならない↓)から脱して本誌でコミカライズ担当、それも125ペエジ、が定着してきたのか。これで確か2度目だったっけか(記憶が曖昧↓)。
穏やかで優しい作風(かつ同じ設定でこれでもかと書いちゃう。どうも御自身と旦那様とのロマンスがモデルなのかしら、と思ってしまう。彼女のお得意の設定は看護師とオランダ人医師、なのだが、彼女自身がそうであるらしい。旦那様は確かオランダ人でお医者様だったと記憶している)で定評のあるベティ・ニールズ作品を。……これは、……ベティ・ファンにとってはどういう仕上がりなんだろーか。個人的には楽しめたんだけど。
父の急逝により、父に寄りかかって生きてきた母と借金だけが残されたヒロイン。支えてくれる筈の交際相手は、勤め先の銀行の重役の娘と結婚すると言い残してあっさり去ってしまう。途方に暮れるヒロインは、それでも母と自分が食べていくためにと奮闘するもショックに勝てず倒れてしまう。それを偶然助けてくれたドクターに想いを寄せるようになり……と何ともベティ・ニールズな展開。
ヒロインの人生に介在して心ないことをしてしまう身内(物語の中でどんな人物かは読んでのお楽しみ)、とか、お約束満載。また、想いを寄せつつも身をひいてしまうヒロイン、というのもまたお約束。勿論それを追っかけない野郎はヒーローになる資格が無い訳で。ええ、大団円でした。

シンデレラと独身貴族
リンダ ルイス Linda Lewis 森井 万智
4596002592


コミカライズ担当:古舘由姫子(カラー有/描き下ろし)

系譜としては、別府ちづ子さん辺りであろーか。それなりに端正な絵を描くのにコミカルさが顔を出す、というのは。今回初登場の作家さんなので、どんなもんかなーと思っていたけれど、作風と原作がマッチしていたのか、それ程読むのが苦痛にはならなかった。ただ、ヒーローがあまりに自意識過剰のお馬鹿さんタイプでヒロインが勝ち気だけれどややドジっ子、というオソロシイ組み合わせなので(笑)、読んでいてこっ恥ずかしかった(はっはっは)。色んな意味で初々しい仕上がりとでも言うか。
ヒロインのシンディという名前が既に彼女がシンデレラとして幸せを掴むことは予言済み。後は肝心の王子サマなのだが、この王子サマがいけねえ(笑)。母親が自分をどうにかして結婚させようとしてるもんだから、テメエで家政婦派遣所に頼んだクセに、彼女を母親が寄越した花嫁候補だと思い込んでつっかかり喧嘩をふっかける(莫迦過ぎる……)。そのイザコザが発端で、何やら先行き不安になりつつも惹かれ合ってしまうふたり。そこに彼の母親や花嫁候補も絡んできて…?
全体的にコミカルな出来で、久々に気恥ずかしいノリを堪能した(ホメてんのかそれは)。サボテンの上に尻餅ついて、トゲをヒーローに抜いてもらう、てのあロマンス小説としてどうなの!?(大笑)ヒロインと出会った瞬間天使のハレルヤ・コーラスが聞こえるに至ってはどうしていいかわからんぞ。
絵としては、……まあまあイケるかな、と。華やかできらびやか、なベタな世界ではなく、アメリカを舞台にしたやや庶民的なノリの残った話だったのも良かったのかも。丁寧に描かれていたし、今後違うノリのものも読んでみたい…かな。

個人的には燃えるもんが無い号でした。全部ちゃんと読めたけど。最近、自分が好きな作家さんが本誌から離れたり、増刊で妙なオリジナルやられたり、と何となくがっかりさせられることが多くなってきたような気がする。反面、頑張ってくれている若手が出てきて嬉しくもあるんだけど。粒揃い、は難しいのう……。
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