拠火園雑録

あの空に、この手が届くなら。

 
2007年01月22日

今月のHQCM。11

ハーレクイン 2007年 03月号 [雑誌]
B000M53HWQ

今号はペエジ数増。おお、いつもよりも厚い。そうか、125P作品が4本に93P作品が1本、と。それでも価格はいつもと同じ。お買い得Vv
先月号同様、色合いが何となくシックで上品に見える。この路線でいってくれ♪(多分、この雑誌における御大が登場したらまたいつもの路線になるんだろうけど↓)

婚約ワルツ
バーバラ マクマーン Barbara McMahon 飯田 冊子
4596216770


コミカライズ担当:小林博美(巻頭カラー/描き下ろし)

安定してるので読みやすい小林さんが巻頭。なんか、カラー見開き扉が「少女まんが!」らしくていい。
偽装婚約モノ(と呼んでいいのか)。偽装結婚モノの系譜で、とりあえずワケあって期間限定偽りの婚約者同士になった男女が…というハナシ。
ヒロインがバーでため息をつく。今から出るパーティには元恋人と、彼を奪った女性がおり、皆から哀れみの視線を投げかけられるのだけが憂鬱。元恋人とは正反対な外見で、偽りの婚約者を演じてくれる男性は居ないものか、とバーテンダーにこぼすと、自分同様カウンターにひとりで座る男性を勧められ、さらには勝手に話を取り付けられてしまい、成り行きから依頼してみることに。すると存外あっさりと承諾される。見ればゴージャスな男性だし、これなら元恋人と奪った女を見返せる、少なくとも哀れまれなくて済む、と一安心。一方、依頼された男にも渡りに船の申し出だった。手を切りたい女が居るけれど自分と結婚する気満々。それをかわすには見知らぬ女の申し出が有り難い。……てな訳で交渉成立。目出度くその場も切り抜けるのだけれど、あれよあれよという間に「婚約者のフリ」を続けるハメになって……。

――まあ、勿論互いが互いに本当に惹かれてしまう、んだな。ははは。ヒーローがかつて結婚まで考えた女がカネ目当てだったために女性不信。なかなか素直になれない。おまけにある電話の会話内容をヒロインに聞かれてしまい、ヒロインは悲しみの余り彼の元を去る。
キューピッド役がうまいこと立ち回ったこともあって無事結ばれるのだけれど、ちょっと話がデキ過ぎちゃいないかい、と思わないでもない。そんなこと言ったらお約束だらけのHQ世界が成立しないのだが↓
これと言って特別な山場が無いので、その辺り苦労なさったのか、ラストになればなる程大ゴマだらけになっちゃって、勢いだけでオシマイ、という風になっちゃったのが瑕瑾、かな。さらっとした作品だった。キスひとつでドキドキがとまんねえよ! という初々しさの漂うお話だった。えろえろしいのよりは好みだけど、……かなりアッサリ目だのう……。

トラブル・ロマンス
ジェニファー・ラブレク 伊坂 奈々
4596215464


コミカライズ担当:橋本多佳子(カラー有/描き下ろし)

元々大好きなまんが家さんではあるけれど、この作品自体がすんげえ好み。こんなにバカ笑いしたろまんすは初めてだ(笑)。これでもかこれでもかとヒーローに降りかかる災難が素敵過ぎるうぅぅぅぅ!

ヒロインはちょいと地味でおカタイソフトウェア会社の社長。妹夫妻が南米に旅行に行って留守の間、3人の子供たちのお守りを頼まれる。急にナニィに辞められて、泣きつかれたのだ。祖母と共に妹の家に向かう。
ヒーローは警官。ある会社社長が裏で南米の美術品の密輸入を行っているらしいという疑惑が本当かどうかを確かめる為に潜入捜査することになったのだが、どう入り込むのかと思ったら何とナニィ(住み込みで子供の面倒見るシッターさんみたいなもの、と言っていいのかね。「乳母」だと歴史モノかお貴族サマに仕えてるヒトみたいだし)になりすますのだ。
この2人の出会いがまずサイアク。子供たちの玩具にされたヒーローが半ば半裸にされ、イタズラされまくってアヤシイ男にしか見えない状態。おまけにダクト・テエプで縛り上げられてるわ口まで封じられているわ。どうにか新しいナニィだとは判ったものの、ヒーローは小悪魔どもにやられっぱなしでブッチギレ(彼はこの作中良くも悪くも?ずっと振り回されまくっている)。
最初の印象は互いにあまり良くなかったものの、子供たちやヒロインの祖母たちと過ごす内に惹かれ合っていることに気づく。

ヒーローの潜入捜査の顛末、ヒロインとヒーローの掛け合い、個性的な周囲の人々(特にばーちゃんと子供たちがいい味出しまくってる)が渾然一体となっておりなすコメディ・タッチのロマンス。シモネッタなあれこれが出る割に下品にならず、笑いに転嫁させて楽しませてくれるのはきっと橋本さんの力量ね♪ 最後の最後まで笑わせてくれた。あれほど台詞に「パンティ」という単語が列挙されたロマンスもそうそうあるまいて(笑)。この一作の故に買って良かったと言ってもいい!

冷たくしないで
パトリシア・コグリン 松村 和紀子
4596609454


コミカライズ担当:岡本慶子(カラー有/描き下ろし)

来たな、(私にとっての)鬼門め!! どうしてこんなに描かせてもらえるのか不思議でならないまんが家さんなのだが。……今回もゲンナリしてしまった↓

お金持ちのお嬢(ヒロイン)が「私だってちゃんと一人前にやっていけるわよ!」ということを証明したいが為に、兄2人と賭けまでして「外」に飛び出し仕事をするものの、何をやってもドジ・不運の連続ばかりでうまく行かない。そんな彼女を働かせてくれることになったのは、ウェイトレスをしていたカフェで自分に痴漢を働いたと思い珈琲を浴びせた男。彼は犬の訓練士。横柄かつ傲慢に見えるものの、仕事の腕は確か。反発し合うものの次第に惹かれ合ってしまい、ついには結ばれるのだけれど――

絵が受け付けないです。
何度見ても駄目だな……。ネエムとか悪くないだけに際立つ、どうしても。のっぺりした横顔、大抵は彫りの深い欧米人を登場人物にする作品にあっては違和感感じるな、という方が無理。瞳に力が無いから、何時見ても虚ろ。人物デッサンもふぁっそんせんすもコワイ。
お嬢ヒロインが働かせてもらって「目覚め」るのは悪くないし、好感も持てたけれど、やや自意識過剰なのが鼻につくのも残念(これは作画担当者に非はない。多分)。そして、「格好いい」という設定だろうに説得力の無い絵で描かれてしまうヒーロー……。
今回すんばらすぃのは「犬」。犬だけはリアルで可愛かったです。いいアシスタントさんが居るのか、はたまた動物だけはリアルに描ける方なのか。いずれにしてもバランス悪いんだけど。今回は割合イケるかな、と思ってたけれど、……金持ちお嬢の着る服が……↓↓↓ ゴージャス路線は出来るだけ避けた方が……。オフィスものも。ロイヤル・ロマンスなんてもってのほか(以前やってらしたけど)。って、そんなこと言ってたらHQそのものが描けないんだけど。

ウエディングは華やかに―『捨てられた花嫁』『あどけない花嫁』『二度目の花嫁』
ミシェル リード リン グレアム シンディ ジェラード
4596815291

……の内の「捨てられた花嫁」を93pでコミカライズ。

コミカライズ担当:進藤ここあ(カラー有/描き下ろし)

結婚式当日に夫となる筈だった男性に逃げられたヒロイン。その逃げた男の兄から自分と結婚するように申し出を受けることになる。

ヒロイン・ヒーローが「純和風」に見えてしまうのですがどうしましょう。
いや、ホントに。何というか、……地味な印象を受ける絵を描かれる方なのだな、と。「実録! 嫁姑!!」みたいなまんが雑誌で見かけそうなカンジ。
本来HQのヒーローなんかはそれなりの年齢だから「これじゃあまりに若い印象が…」とかそういう戸惑いを受けるんだが、この方が書かれると若い/老けてるというよりも「地味」に思えてしまって、……。ある意味少女まんが的じゃない、とでもいうか。レディコミ(と言ってもエロが売りではないタイプ)なんかではイケそうなんだけど、如何せん「華」を要求されるHQではやや浮いて見える気がしてしまう。
93ペエジでまとめる、のはソツなくこなしていらっしゃるカンジで悪くないのだけれど。時折、「あ、これは可愛いな」と思える絵はあるんだけど、全体的に受ける印象が淡々としてるのがもったいないなと。

夢見るプリンセス―ロイヤル・スキャンダル
キャリー アレクサンダー Carrie Alexander 古川 倫子
4596216169


コミカライズ担当:伊勢崎とわ(カラー有/描き下ろし)

以前「ボス秘書もの」をコミカライズした時はヒロインが活き活きして見えて、「あ、可愛いかも」と思った分期待していたのだが。

ぬりえみたいな絵になってる……(涙)。

ヒロインはヨオロッパの小国のプリンセス。ひとりで公務のためにアメリカを訪問。彼女の国に伝わるティアラをアメリカのとある美術館で行われる宝飾展に貸し出すのに乗じてのことなのだが、彼女としては「自由の国・アメリカ」で「フツウの女の子として」の日々を謳歌することが目的。出迎えてくれた館長が(今流行りの・笑)メガネ男子……いや、ちょいと堅物なオトコマエ。惹かれるものの、彼は自分をプリンセスとしてしか見ようとしない。

所謂「ロイヤル・ロマンス」もの。一国の姫君と一介の一市民が恋に落ちる、というパタアンは「ローマの休日」以来のお約束とは言え、これもまた実はミニ・シリィズらしく、どうやらきょうだいだのがいればそいつらもばたばたとくっついてっちゃうんだろうなーな展開が待ってる訳で、……そんなに芋づるに結婚する訳あるかい、といつも思う。言ってもしゃーないが。
お話はそれなりに、なんだけど、絵が! 絵が〜〜〜〜!! 何か、子供の頃楽しんだぬりえ思い出した。こう、何処かのっぺりして一律なカンジのする線で絵。全体的にカタイ気がしてならない。元々そういう傾向のある絵を描く方ではあるんだが。アニメみたい、とでもいうのか(それも止め絵ね。ちなみに、欧米各国のヲタクの皆さんは、この静止状態の絵の美しさにヤラレるらしいのだが。まあ日本のアニメはリミテッドだしな…・以下ヲタクらしい言説が続くので省略)。

とりあえず、粒揃いとまでは行かないものの、1本自分的大ヒットがあったので一応満足してしまった(一応かい!)。いや、そのほかの作品もそれなりに楽しみはしたのだが。何か橋本さんの作品以外は妙にアッサリなカンジがしてしまった。つーか橋本さんの作品が妙にハイ・テンションなのかもしれない。

来月は原作本の付録付で嬉しいVv ラインナップは星合操さん(来ましたか。もう少し出し惜しみしてくれてもいいんだけどなあ)、月瀬瞳さん(知らない方だ、でも見たことあるんだよこの絵……と思ったら、そうでしたか、あの方でしたか。まだ頑張ってらしたんだ。この方が活躍していた頃の某少女まんが誌はまだマシだったなあ……・涙。もとい。期待してみよう)、香住真由さん(一度思いっきり原稿オトされてから見なくなったと思ったら思いがけず復活。正直本来のフィールドで御活躍下さい、と思ってしまう)、英洋子さん(執筆なさる作品が原作本付録として付いてくる。絵に華があるのと丁寧に描かれる方なので期待)。楽しみにしておこう。












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