やるならやらねば(何をだ)。
ラブシーンの掟
石川 三千花
4167582066

このひとの書くものを、手放しで褒めるのもアタマから貶すのも、何ともムズカシイものがある。いや、面白いのだ。大笑いした。しかし、「何故そこまで言う!?」という時が往々にしてあって、辟易させられることも確かである。深く考えずに笑い飛ばして読むのがベストだろうけどさ。つい「こええよ!」と思っちゃう時があって。悪意に満ちてるのか「単なる本音よ♪」なのか判らないのがこわいんだよー。

以前、彼女の著作を読んでいた時に、「t○f」について語っていたものがあったのだが、彼等を評して曰く「ここまで綺麗どころではなくキタナどころが揃ってるのも珍しい」(要約)。そ、そこまで言うか。彼女にとって彼等は何処を取っても何をやってもその外見から何から「キタナ」く見えるらしい。


表紙からトバしまくり(笑)。もうこのカヴァの絵だけで4〜5分は笑える。絵にはツッコミが添えてあるのだが、そのツッコミで笑えるのだ。故に、本文もかなり笑い所満載だ。そこだけに集中して観てるので、フツウに観ていたら流してるトコロを微に入り細に入り解説してはツッコミ。

思えば、何であんなに映画の中のベッド・シーンてのは「如何にもフツー」そうなのが少ないのでしょー。イヨーにロマンティックだったりイヨーにあう゛ぁんぎゃるどだったりイヨーに凝ってたりするのですが。ああいうのを観る度に「ああ、アメリカ人てホントは保守的なひとが多い」という説(?)を実感する。そりゃあまあ「如何にもフツー」じゃつまんないのかもしれないけど。
そんなこともあってか、著者はこれでもかこれでもかと銀幕の中でなさっているヒトたちを観察してはツッコむのだ。時に、肌を重ねることもないまま終わる作品に哀切といとおしさをも見出しつつ。

スカアトの中にアタマ突っ込んじゃうおっちゃんにはやや引いた。水中でしちゃうヤツらは海洋性哺乳類かよと。実生活でも夫婦だったカップルの本気モオド炸裂。……そうか、ホントにイロイロなんだな。

そういえば「薔薇の名前」での野趣溢れる(と言っていいのか?)シーンが妙に印象深かったなあ。
薔薇の名前 特別版
ショーン・コネリー ウンベルト・エーコ ジャン=ジャック・アノー
B000FQW0QQ

一生童貞を貫く筈の年若い修行中の修道士が名も知らぬ女性に詰め寄られ、押し切られるように関係を持ってしまうシーンがあるのだが、とてもワイルドで即物的で、それだけになまめかしく生々しかった。それでいて、作品のラストに至る辺りで思い出すとせつなくなる。これ、TV放映版だと思い切り無粋にボカシが入るのだけれど、DVDでもそうなのだろうか? 逆に卑猥というか下品な感じがしたのだけれど(確かに、かなりきわどい描写でそこだけ切り取ればぽるののように見えたかもしれない)。折角重厚な映像づくりしてたのに、台無しにされた気分になった。……何故かこの本では触れられてなかったなあ。如何にも取り上げ甲斐がありそうだったんだが。

軽く流すように読めるので、映画好きで暇な時に読むにはちょうどいいかと。
【2007/01/19 23:10 】 | ほん:えっせい系。 | コメント(0) | トラックバック(0)
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