心底は信じないのかね。
悪夢のあとには
アン・マリー ウインストン Anne Marie Winston 逢坂 かおる 
昔の作品、になっちゃってるし↓ どんだけ放置してるんだよ私。
「銀色の誘惑」という作品のスピン・オフ。「銀色〜」ヒロインの兄が今作のヒーロー。
妹も自立に協力しているDV被害者の女性を、牧場を営むヒーローが雇うことに。最初は痛々しさと弱々しさに満ちていたヒロインも、徐々に生活に慣れて、忙しくかつ重労働の多い牧場での仕事をてきぱきとこなしている。
徐々に互いに生まれる信頼関係と惹かれ合う気持ち。
過去に縛られるヒーローと、元夫とのいざこざのせいで記憶を失い、夫殺害の嫌疑をかけられてしまうヒロインの物語。
……単純に疑問だったんだけど、ある程度DV被害者のための施設で過ごしたとは言え、その後突然独身男性の家に住み込みで働く、なんてこと、するもんなんだろうか。そりゃあ何時までも男性に恐怖心しか抱けない状態では後々大変なんだけど。ひとりの女性も一緒じゃない、って(ヒーローの妹は頻繁に顔を出す、という設定ではあるものの)。おまけに、ヒーローの元に暮らすことになった時は、元夫から受けた暴力の痕跡が残ってるくらいの時期だし。いくら何でも荒療治では。
と、妙なポイントでちょっと引っかかってしまった。ヒーローは信頼が厚い人物である、とはされているけれど。
傷ついたヒロインと、信頼出来る男性とがふたりきりになっても心穏やかで居られる、それどころかその人柄に惹かれて好意を抱く、ヒーローも同様に……というのを書きたいからそんなカンジなんだろうけど。
ヒロインが働き者で、かつ文句ひとつ言わず牧場での仕事をこなす、というのは好感度高し。もっとも、これはヒーローの過去という伏線にも繋がるのでちょっと出来過ぎ、な観もあるけれど。
ヒロインの元夫を殺害した犯人、については、流し読みだとヒントに気づかなくていい(笑)。ひとによっては「安易だ!」と思うんだろうけど、限られたペエジ数ならまずまずではないかと。
自分が傷つけられた割に、ヒーローの過去を心配してやれる辺りもなかなか(でも、……フツウは自分でいっぱいいっぱいになるよーな気もする。おまけに、殺人容疑までかけられてる訳だし)。
あと、個人的には、通常無理だと判ってるし、現実に居てもある意味異常かもしれないとも思うものの、ヒロインを無条件で(つまり愛故に、あるいは盲目的に)信じる、というヒーローが良かったなあ、と。「もし君が罪を犯していたとしてもボクはそれは仕方のないことだったと思うよ」みたいな態度取られたって傷つくじゃないか。ある程度証拠があったり、そう思うしかない状況を裏付ける何かがあったならまだしも。
ハッピィ・エンドは勿論なんだけど、何だかなーな一作。
ちなみに、スピン関係にある「銀色の誘惑」は、偶然出会った女性に惹かれるものの、それがかつて自分の妹を死に追いやった男の妹と判り、復讐に利用しようとする…というハナシ(確か。こっちは随分前に読んだのでうろ覚えだ↓)。
復讐は本人に真っ向ぶつかっていって欲しいもんです。どういう訳か、ヒロインがヒーローに復讐しようとする時はあくまでも自分:相手なんだけど、ヒーローの復讐譚、という時は身内に手出しすることを匂わせたり実行したりすることも結構多い(ヒロインはまずしないのになー)。
男は卑怯で浅薄かつ卑劣なのが定番(笑)。死ねばいいのに(おーい)。

ほん:HQ。 コメント(0) トラックバック(0)