もうついていけないのかもしれない。
spoon. (スプーン) 2007年 06月号 [雑誌]
特集は「美術館」。
取り上げるテエマとかは相変わらずツボだし嬉しいな、と思えるネタも多いんだけど、……路線変更をする前ほどはときめくものがなくなった。不思議なくらい。
自分にとって、ファッション「そのもの」に焦点を当てること、がそれ程興味をそそられないものだ、というのもあるとは思う。でもって、「そのものに焦点を当てる」ものが欲しければ、「そういう雑誌」を買う。「spoon.」に期待してたのは、「そういうもの」じゃなかったし、今も特に求めてない。
「spoon.」としては、「ファッションそのもの」をフィーチュアしつつも別な何かと絡めた時の在り方や、「そのもの」ではない「ナニカ」としての見せ方を意識しているのだとは思う。……思うんだけど、「うん、綺麗な写真だよね」くらいにしか思わない。カワイイお洋服だよね、モデルさんも素敵だよね、で、何? 路線変更後はいつもそんなカンジ。
前は、ある特集に絡めて登場するモデルが着ているファッション「も」いいよね、「spoon.」なりに「コレだ!」というメゾンなりブランドなりを選んでるよね、とイイカンジにコラボしてるように見えたのが良かった。それも、あざとさをあまり感じさせずに。ブランドを全面に押し出すのではなくて、わかるひと・知ってるひとは知ってるけれど、知らないからといって其処がどんなコンセプトでつくってるのか、とかわからなくったってその服の可愛らしさやデザインの素晴らしさを同時に楽しむことが出来た(と読み手としての私は勝手に思ってる)。
「堅苦しさ、緊張をもたらす場所、というだけじゃないんだよ、もっと行ってみない? いいとこあるんだ」と伝えたいらしきことが伺えない訳じゃない。でも、それ――美術館の素晴らしさ――よりも「如何におしゃれなアナタがおしゃれに楽しめるおおしゃれ空間なのか」、を演出してるようにも見えて、少し萎えてしまった。悪いことではないんだ。本質を否定してる訳ではないし、違う側面を自分なりに楽しむことだってアリなんだ。
でも、何かチガウ。
もう、いい意味での「文化系女子」のための「イケてるサブカル」雑誌、ではなくなってしまった。
「spoon.」は、登場したその時から、とんでもなくイケてた、と思う。サブカルを扱ってるのに、暑苦しさというか良くも悪くも漂いがちな、ソレにしか発生し得ないような腐臭(笑)というか発酵臭(ええええ)というか、そういうものが無かった。泥臭さ、というのか?
「イケてねえって思ってるだろ? でもチガウんだよな」的思い上がりというかのぼせも無かった。
「見つけちゃったよ。カワイイよね? いいと思うんだー」と、いい意味でとても軽かった。軽い、じゃ違うか。軽やか、かな。爽快だった。それでいてとても「特別」なカンジがして、見つけちゃった時は「お宝発見!」ぐらいの気分だった。
それに、「カワイイよね? いいと思うんだー」に、何処か哲学みたいなものを感じた。編集子のコダワリとか目の付け所が一貫してるカンジで。
多分、編集サイドとしては、「前とは違うことを。前とは違うものを。『spoon.』らしさを失うことなく新しい『spoon.』に!」という所なんだろうけど、綺麗なグラビアなんて昔からだったし、その時の企画に合わせて色んなモノを見せてもらってた。ファッションに敢えて特化する理由が見えなかったし、意味も汲み取れなかった。
以前は何処を読んでも楽しかったけれど、今は「読み取れないヤツは買わないでおけ、つーことかぁ……」と思うこと多し。
服、カワイイけどね。綺麗なグラビア多数でね。でも、「写真集」とか「グラビア集」を期待して「読」んでなかっただけに。
今だってオイシイ特集組んでくれてるんだけど。古本と旅、とか。記事そのものが面白い方が良かった。画(え)や写真でしか伝わらないものだって確かにあるんだけど。昔の心地よい「濃さ」が今となっては懐かしい。
あらゆるものが混在しているのに不思議とまとまりがあった。今は、「こういう特集組んでるけど、今旬だからコレも一緒ってこと??」とまとまりを感じられなくなってしまった。……私がもうついていけてない、んだろうなあ……。
とりあえずもうしばらくは買い続ける。BNの方が楽しいのがセツナイ。

ほん:えとせとら。 コメント(0) トラックバック(0)