そんなに悪くなかったけどなあ。
2007'04'28(Sat)23:34
手づくりする手紙
木下 綾乃

これまでも木下さんの本は読んできたけれど、これがいちばん面白いというか読み応え、を感じたように思う。作例やつくり方が充実していたし、色んなアイテムも登場した。
そういう訳で、一応「タイトル通り」の本。「一応」というのは、どうも読むヒトによっては「嘘吐け」と思ってしまうらしいから、である。
実際に、彼女がどのように手紙を書くことを楽しんでいるか、はちゃんと記されている。
エアメイル用の便箋の裏側が実はとても多彩であるが故にそれを敢えて表側として利用する楽しみ方。
喫茶店のコオスタアにちょっとしたメッセエジを添えて便箋代わりにするアイディア。
ちょっと工夫するだけで、送る側も受け取る側も色々楽しめるよ、という彼女がふだん実際にそうしているであろう一端がちゃんと記されているのである。
が。
高級レタア・セットをオーダーしてみる、封緘のオーダーメイド等、「非日常的」アイテムに関しての部分や、旅行先(主に海外)でのグッズ蒐集について割かれたペエジに対するものと思われるが、それらについてはかなり手厳しいというか、……ちょっと僻んでませんか、と尋ねたくなるようなレビュウが散見されるのだ(余程腹が立ったのか、あるレビュウでは「立ち読み程度でアイディアは頂ける、買う程のことはない」というようなことが書いてあって、……立ち読みのススメですか、と何だか哀しくなってしまった)。
手紙好きなら手を出してしまうあれこれ、その入手先が海外だった、というのは責められねばならないことだったのか。そりゃあ海外に行ける訳でもなく、地方在住故に「伊東屋」にでかけられる訳でもない私にとっても「え、そんなの欲しくったって手に入れられないんですけども!」と思わないでもない。でも、あくまでもひとつの提案であり、一個人にとっての楽しみ方のひとつとして紹介しているのであって、それはそれで私個人は「ほうほう」と楽しんで読んでいた。
「伊東屋」云々に関しては、文具好きなら知っている方も多く、ここでこそ手に入るもの、つまりヨソでは手に入らないモノというのもおそらくある訳で、そんなものを紹介されてもどうにもならないよ、と思う向きがあるのもわからないでもない。しかし、自分の住む地方に、「伊東屋」ほどの文具店とまではいかないまでも、老舗で品揃えよく、行って楽しめる文具屋、収穫を上げられる所があるかもしれないし、そういう店を「発掘」してみるか、という気分にさせてくれるエピソオドだと思えばそうも気にならない。
「ブランド指向かよ」と思うだけで終わるのではなく、「そういうカンジの店があるかもしれない」と「自分なりの」楽しみ方を探す縁だと思えばいいだけでは、と思うのだが。
そりゃあね。そういう店がゴロゴロしてないからこそ、「伊東屋」は今もこれまでも愛されてる訳ですけどもね。
どうも徹頭徹尾何から何まで「手作り」に関するアイディア、を期待していたひとたちにとっては「タイトルに偽りアリ!」の印象を与え、事実そうだったのだな、と思うに至った。
アイディアの「断片」や「切れ端」では我慢ならぬ、という方は、故に、買ってはいけない本ではないかと。
確かに、私も彼女の著書のほとんどを所有していて「いや、これはちょっと期待ハズレだったか」と思ったものがないではない。しかし、全てを確認して買った訳でもないのでそれは自分にも非があると思い、その本はその本として受け取ることにした(手紙の本、だと思って購入したのに半分は「切手」について綴られていた)。
どうやらひとは思った以上に手紙――アナログな手段を使う、ということに飢えている、らしい。本当はもっともっと色んなことをしてみたいもの、らしい。
他人が教えてくれることだけを期待する前に、自分の足であちらこちら探し回って、身の回りのものをどうしたら別なナニカに活用出来るのか、今あるものでより楽しむにはどうしたらいいのか、それを考えることこそがアナログにして楽しいことなのだ、と、他力本願に「アイディア寄越せー!!」と言う「だけ」のひとには、どうやったら伝わるものだろう?
そりゃあ「はうつー本」として期待したんじゃ! と言われてしまえばそれに応えられない本、は役立たずで「騙された」感を与えるものでしょうけれども。
ペエジのどこを繰ってもアイディア満載、アイテムも必ずしも手に届くものばかり、という訳でもなく、ぷちぶるめいた趣味も多々散見される本です。
そういう本。出版社サイドもその点明記しておけばよかったのに(って、ちょっと調べたら出版社でも目次掲載等でそれなりに紹介してました)。
「楽しみ方」はひとそれぞれだからねえ……。はうつー本として買おうと思い、最初から最後まで「手紙をてづくりすること」を記してある本、を望む方は、お買い上げになられませんよう。それと、忙しいから、とか理由をあれこれつけず、やはり書店に足を運んで中身を確認した上で買うのがよいのではないかと。「アナログ」の確実性と実際性、その楽しさが再確認出来るしね。
木下 綾乃

これまでも木下さんの本は読んできたけれど、これがいちばん面白いというか読み応え、を感じたように思う。作例やつくり方が充実していたし、色んなアイテムも登場した。
そういう訳で、一応「タイトル通り」の本。「一応」というのは、どうも読むヒトによっては「嘘吐け」と思ってしまうらしいから、である。
実際に、彼女がどのように手紙を書くことを楽しんでいるか、はちゃんと記されている。
エアメイル用の便箋の裏側が実はとても多彩であるが故にそれを敢えて表側として利用する楽しみ方。
喫茶店のコオスタアにちょっとしたメッセエジを添えて便箋代わりにするアイディア。
ちょっと工夫するだけで、送る側も受け取る側も色々楽しめるよ、という彼女がふだん実際にそうしているであろう一端がちゃんと記されているのである。
が。
高級レタア・セットをオーダーしてみる、封緘のオーダーメイド等、「非日常的」アイテムに関しての部分や、旅行先(主に海外)でのグッズ蒐集について割かれたペエジに対するものと思われるが、それらについてはかなり手厳しいというか、……ちょっと僻んでませんか、と尋ねたくなるようなレビュウが散見されるのだ(余程腹が立ったのか、あるレビュウでは「立ち読み程度でアイディアは頂ける、買う程のことはない」というようなことが書いてあって、……立ち読みのススメですか、と何だか哀しくなってしまった)。
手紙好きなら手を出してしまうあれこれ、その入手先が海外だった、というのは責められねばならないことだったのか。そりゃあ海外に行ける訳でもなく、地方在住故に「伊東屋」にでかけられる訳でもない私にとっても「え、そんなの欲しくったって手に入れられないんですけども!」と思わないでもない。でも、あくまでもひとつの提案であり、一個人にとっての楽しみ方のひとつとして紹介しているのであって、それはそれで私個人は「ほうほう」と楽しんで読んでいた。
「伊東屋」云々に関しては、文具好きなら知っている方も多く、ここでこそ手に入るもの、つまりヨソでは手に入らないモノというのもおそらくある訳で、そんなものを紹介されてもどうにもならないよ、と思う向きがあるのもわからないでもない。しかし、自分の住む地方に、「伊東屋」ほどの文具店とまではいかないまでも、老舗で品揃えよく、行って楽しめる文具屋、収穫を上げられる所があるかもしれないし、そういう店を「発掘」してみるか、という気分にさせてくれるエピソオドだと思えばそうも気にならない。
「ブランド指向かよ」と思うだけで終わるのではなく、「そういうカンジの店があるかもしれない」と「自分なりの」楽しみ方を探す縁だと思えばいいだけでは、と思うのだが。
そりゃあね。そういう店がゴロゴロしてないからこそ、「伊東屋」は今もこれまでも愛されてる訳ですけどもね。
どうも徹頭徹尾何から何まで「手作り」に関するアイディア、を期待していたひとたちにとっては「タイトルに偽りアリ!」の印象を与え、事実そうだったのだな、と思うに至った。
アイディアの「断片」や「切れ端」では我慢ならぬ、という方は、故に、買ってはいけない本ではないかと。
確かに、私も彼女の著書のほとんどを所有していて「いや、これはちょっと期待ハズレだったか」と思ったものがないではない。しかし、全てを確認して買った訳でもないのでそれは自分にも非があると思い、その本はその本として受け取ることにした(手紙の本、だと思って購入したのに半分は「切手」について綴られていた)。
どうやらひとは思った以上に手紙――アナログな手段を使う、ということに飢えている、らしい。本当はもっともっと色んなことをしてみたいもの、らしい。
他人が教えてくれることだけを期待する前に、自分の足であちらこちら探し回って、身の回りのものをどうしたら別なナニカに活用出来るのか、今あるものでより楽しむにはどうしたらいいのか、それを考えることこそがアナログにして楽しいことなのだ、と、他力本願に「アイディア寄越せー!!」と言う「だけ」のひとには、どうやったら伝わるものだろう?
そりゃあ「はうつー本」として期待したんじゃ! と言われてしまえばそれに応えられない本、は役立たずで「騙された」感を与えるものでしょうけれども。
ペエジのどこを繰ってもアイディア満載、アイテムも必ずしも手に届くものばかり、という訳でもなく、ぷちぶるめいた趣味も多々散見される本です。
そういう本。出版社サイドもその点明記しておけばよかったのに(って、ちょっと調べたら出版社でも目次掲載等でそれなりに紹介してました)。
「楽しみ方」はひとそれぞれだからねえ……。はうつー本として買おうと思い、最初から最後まで「手紙をてづくりすること」を記してある本、を望む方は、お買い上げになられませんよう。それと、忙しいから、とか理由をあれこれつけず、やはり書店に足を運んで中身を確認した上で買うのがよいのではないかと。「アナログ」の確実性と実際性、その楽しさが再確認出来るしね。