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ホテル・ルワンダ プレミアム・エディション
ドン・チードル テリー・ジョージ ソフィー・オコネドー ![]() WOWOWで朝っぱらから「ルワンダ 流血の4月」と立て続けに放映したのには驚いた。どちらも観られる限りは観た(何しろ、病院内に居ると、院内のタイム・テエブルに従わないといけないので見逃す部分も多々ある)。朝からヘヴィな内容だったけれど、見逃したくなかった。 同じ国に住んで、色々なものを共有していただろうに、部族が異なるが故に隔てられ殺されるかもしれない恐怖に怯え、世界から救いの手が差し伸べられることもない状況で生きる、というのは、どんな心地がするものだろうか? 恥ずかしいことに、ルワンダの紛争のことはほとんど知らない。内戦めいたものがあった、ということは知っているのだが、何故起きたのか、どんなことが起きたのか、を、知らなかった。 実際にあった出来事、実際その中で生き抜いたある人物を中心に描かれたものではあるものの、ドキュメンタリィではないため、ドラマとしての見応えもあある。ただ、映像で描かれなかったもっと悲惨な事件や状況があったかもしれない、と思うと胸が詰まる。 ツチ族は少数派民族ではあるが、被植民地時代を経て独立を遂げてからは彼等を中心とした国家が成立。その後レジスタンスが発生し、対立し始めていたらしい。そして、フツ族によるツチ族大量虐殺が発生する。 ルワンダにある著名な高級ホテルの支配人を務める男はフツ族。その妻はツチ族だった。大量虐殺が始まったことを知り、彼は家族を守ろうと奔走するのだが、その内フツ族ツチ族関係なく、難民およそ1,200名を自らのホテルに受け容れる。 実在の人物の、誰にでも出来るとは言えない行い(彼が後に出版した本のタイトルは謙虚かつある種のウィットに富んでいる―― "An Ordinary Man" というのだ)を、血なまぐさい現実と共に描いている。祈りも嘆きも届かない絶望的な状況にあって、人脈と頭脳とで闘った姿に、ただ呆然とする。 対岸の火事に、興味を持ち同情はしても、実際に立ち上がって行動する人間は何人居るだろう? 国連ですら手出し出来ない状況にあって、死と隣り合わせの中、自分と家族だけで精一杯であろうに、彼はそれでも1,200余名の命を守った。 あまりに簡単にひとの命が奪われてゆくことに、何とも言えない絶望感を覚える。民族が違う、思想が違う、それだけが殺す理由。ある者は銃で、ある者は刀で。路上には死体が打ち捨てられ、さらに屍山血河が築かれてゆく。 観ていてやるせない気分になるし、辛くもなるけれど、でも目を逸らしてはいけない「過去の事実」。 これほどの状況下にあっても、自分以外の誰かを守ることに心血を注げる人間が居るということもまた事実で、希望というものが欠片も残っていない訳ではないことだけが救いであった。傍観者ですらなかったけれど、その傍観者にようやくなった自分には、何もかもが重かった。それでも、観て良かったと思う。 知らないままでいるより、知って、その消せない重みを噛み締めるべきであろうから。ほんの10数年前のことなのに、何も知らなかったという事実と併せて。 何でもないことのようにひとはひとを殺せるのだという事実と、自らも危険に晒されながら、それでも他者に手を差し伸べることが出来るのだという事実。その両方が描かれている。 |
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