やっとタイトル確認。
2007-06-23 Sat 19:16
スパングリッシュ
アダム・サンドラー ジェームズ・L・ブルックス ティア・レオーニ
B000PAU2LW

「スター・チャンネル」で何度となく放映されたにも関わらず、その全ての冒頭を見逃したためにタイトルが判らなかった映画。内容が面白かったからタイトル知りたくてしょーがなかったのに、ガイド無いから放映時間ちょうどにうまいこと当たらなくて四苦八苦(ふいにTVのチャンネルを合わせるとやっていた、ということばかり↓)。
やっと判った! と思ったら「すぱんぐりっしゅ」……。そ、そんなタイトルだったのか。なんつーか、割合実直な(?)タイトルだったのね。スパニッシュ+イングリッシュ、アメリカに住むヒスパニック系のひとたちが使うスペイン語と英語の混ざり合った言語のコト(そういえば韓国のペンパルはハングルに英語交じりで話すことを「カングリッシュ」と言っていた。例として「今日は Dutch-pay にしよう」という文まで教えてくれたわ)。そのまんまカタカナに直しただけのタイトルのクセに「太陽の国から来たママのこと」という副題がついていることに唖然。何かこれで尚モヤモヤするではないか!

本当の冒頭部分を観られなかったものの、どうやらある女性が奨学金申請に付した手紙の内容を朗読する所から始まっている(物語の終わりでそれらしきことが判る)。物語はその女性と母の「かつて」のお話。
ヒスパニック系の女性フロールとその娘・クリスティーナが、(多分)よりよい生活を求めてアメリカに移住(不法移民なのか否かとかは私には判らなかった)。ある富裕な家庭の住み込みハウスキーパーとなる。夫・ジョンはは有名シェフ、妻・デボラはは良くも悪くもアグレッシヴでちょっとテンパり気味の快活な女性。子供は娘と息子がひとりずつ。バーニィはぽっちゃりしていて美人ではないけれどキュート。ジョージィはまだかなり幼い。また、妻の母親も同居している。

スペイン語しか話せない母と、英語をどんどん話せるようになる娘。クリスティーナは母の通訳として大人たちの間に介在する。
フロールはことばもままならないまま、住み込みで働くことになるものの、彼等を観察し、わきまえた態度と心遣いでどうにか接してゆく。しかし、やはりことばの壁があることの困難さを痛感して、自ら英語を学ぶようになる。
美しく母親としての慈愛に満ちた彼女に、ジョンが惹かれてゆく様、彼女もまた彼に好意を抱いてゆく様が描かれる。しかし、どちらにも子供があるので微妙な距離を保ち続ける。

デボラはひとは悪くないのだが、かなり独善的かつあまり他者の気持に対して繊細な考え方が出来ない所があり、自分の娘以上にクリスティーナを気に入り(クリスティーナはなかなかの美少女で、実子であるバーニィは比べると見劣りする設定)、母親の意見など無視してあれやこれやと施してしまう。フロールならずとも激怒してしまうよーなことてんこ盛りでやらかすんだな。クリスティーナにとっては有り難いパトロン的存在だけれど、フロールの必死な思いや努力を踏みにじってる(おまけに、娘のデリケエとさを理解していないし、娘をほっといてクリスティーナに入れあげまくり)。
このバカ女・デボラの浮気が明確になったために、ジョンとフロールの距離が一気に縮まる――けれど、一線は越えない。

自己中心的かつ女としての自分をメインに考えるデボラと、娘のため母としての自分を大切にするフロールが対照的。経済的にも裕福なデボラ、生活のために様々なことを耐えなくてはならないフロール、ダイエットが必要でスラリとしたボディを手に入れるためには努力の必要な娘を持つデボラ、しなやかな身体と頭脳明晰な娘を持つフロール……と全てにおいて対照的なふたり(ブロンドのデボラが浮気もしちゃうようなちょっとダメな女性で、ダーク・ヘアのフロールが情熱的というよりは理知的でしっとりした女性である、というのも敢えての演出だろうか)。何事にもがしがし行動的なデボラと、穏やかで物静かな(でも主張する時はする)フロール。
ジョンが何故フロールに惹かれるか、無理なく描かれる(だいたい、彼は仕事と家庭を彼なりにとても大切にしてるのに、妻はヘーキで遊び歩いていて、表面上は一方的に裏切られてる訳だし)。

ジョンと分かち合った短いけれど大切な時間と、母親としての誇りだけを持って、泣いて嫌がる娘を連れて彼等の元を去ってゆくフロール。再び母と娘だけになり、結局離れることなく再出発へと踏み出してゆく。嫌々ながらに、ではなくて、それが自分のもっとも大切にすべくことだから、女としてよりも母親としての自分の人生を自らの意志で選んで生きてゆくフロールの姿が美しい。義務云々でもなくて、ごく自然に当たり前のこととして受け容れている所が美しいんだろうか。

家族の絆や、家庭を持つ身の恋が描かれていて、物語そのものはそれ程華やかではないのに妙に惹き付けられて、放映に気づくたびに観ていた。子供たちの演技も自然で良かった。それと、デボラ役の女優さんの熱演ぷりにヒきつつも圧倒された(笑)。

ド派手な何が起こるでもない所が良かった。最初からちゃんと観たいものだ。
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