君は薔薇より美しい(ある意味では)。
トッツィー
ダスティン・ホフマン ジェシカ・ラング ビル・マーレイ
B000KRN5NM

何年振りで観たんだろう。色褪せてない! 面白い! もう何度でも観られる、これは。というか、何度でも観たくなる。大好きだ。

実力派なのに売れない俳優が、女装して女としてあるオーディションを受けたところ見事合格。そこから二重生活が始まるのだが、彼の演技の素晴らしさ故に、「女優」としてどんどん人気が出てきてしまう。おまけに、共演者である女優に恋してしまったからさあ大変。役を降りてひとりの男として彼女に告白したいのに、人気のせいで「女優業」を止められない。どうする!?

もうひたすらダスティン・ホフマンの演技力に脱帽する。オカマちっくな男、ではなく、ちゃんと「女性」として存在してんだもの。にこやかに笑う顔、ちょっとした仕草、少なくとも人目を意識している時の彼は「女性」としてそこに存在する。同時に、その姿のまま、恋した女性の側で「男」の心情が顔を除かせると、「女性の格好をした男性」に見えるのだ。

ホフマンの、「売れない実力派俳優」としての演技と、「女優を演じる俳優」としての演技、「女優としての演技」が楽しめるというある意味とてもゴーカな一本。一応既に中年と呼べる年齢の女性ということにはなっているのだが、なかなかどうして美しいのもスゴイ。また、男性であるのに女性としての苦悩、女であるが故につきまとう厄介事・面倒に対する苦言が素晴らしく正論で、ひとりの男性としての彼が振り回す方便と対比させるとまた面白い(男性としての彼はごくフツーに小狡かったりする)。

目の前に好きな女性が居るのに男性として存在することすら出来ない苦悩、恋した女性の父親に言い寄られて必死にかわすおかしみ(「彼女」は色んな野郎に言い寄られる・笑)、女性として存在するために女性以上に手間暇をかけておしゃれをしメイクをしむだ毛を剃る(笑)手間を惜しまない素晴らしい無駄(大笑)。

隅から隅まで上質のコメディであると同時に、男性が女性として女性がなかなか出来ない様々な主張を堂々と言い放つ小気味よさに考えさせられる部分もあって(別に、その部分を「受け取る」必要はない。純粋にコメディとして楽しめるし)、盛り沢山なのに煩くない。ラストはどうなるのか、女優への恋心は受け容れられるのか、とちょっとハラハラさせる要素もよし。

80年代のあれこれを楽しめるのに、まったく古びた印象を受けない(懐かしさは感じるけども)。これはリメイク出来ないだろう(して欲しいとも思わないけれど)。久々に観たけれど、いやあ、観て良かった。
【2007/06/29 23:02 】 | えいが・DVD。 | コメント(0) | トラックバック(0)
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