今月のHQCM。17
ハーレクイン 2007年 09月号 [雑誌]
夏らしい表紙(あ、表紙担当が夏さんだから、という意味ではなくて、ホントに季節の方で)。雑誌名が濃いめの色だからか、はたまたイラストの色を抑えめにしたが故に雑誌名が濃いのか謎。全体的なバランスはいいから、問題ないのか。とにかく爽やか(って結局言いたいのそんだけかい)。
仕組まれたウエディング―キング三兄弟の結婚〈1〉
エマ ダーシー Emma Darcy 高田 恵子 
コミカライズ担当:夏よしみ(巻頭カラー/描き下ろし)
ゴージャスなキング三兄弟それぞれのロマンスを描く三部作第1弾。……いや、これに先駆けて「キング三兄弟の受難」てのがあったんだけど、……無視ですかそうですか。いやそれ知らないと読めない訳じゃないからいいんだけど。
実力は確かなのに緊張し過ぎるのと歌うことでのし上がろうという気持が無いために、いつも本来の力量が示せないヒロインは下町のクラブのステエジに立つ名も無き歌姫。キング家を牛耳るイザベラにその素質を見込まれて、彼等の元で働くことになる。
キング家でのオーディションの際、いつもと同様緊張のあまり歌えなくなった彼女を助けたのは孫息子のひとり。それ以来、彼の優しさに惹かれるものの、結婚が間近であり、その相手とされる女性に牽制されたこともあって踏み出せない。
どうやら、雑に描き殴ったかのように見えた、「落とさなかっただけマシ」状態はかつての一作のみだったと思っていいらしい。今回も隅々まで丁寧に描かれていて華やか。
砂糖で財を為したキング家の面々、彼等の住む環境等、相変わらずのゴージャス感。
原作でもヒーローはこんなに優しくて頼もしいのか、とか色々疑いたくなってしまうのだが(笑)、物語は夏さんらしい優しいタッチに。ヒロインの純粋さ、可愛らしさも好感が持てた。次回以降も期待。
ひとつだけ気になったのは人物の体格。ある意味欧米のひとたちの体格そのものなのかもしれないけれど、……男女問わず身体がとても頑丈そう……。「ガタイがいいなあ……」と見入ってしまった↓ 何か違う、ソレ。
秘書のとまどい
ジェシカ スティール Jessica Steele 吉田 洋子 
コミカライズ担当:橋本多佳子(カラー有/描き下ろし)
直球なタイトル……。もう少し考えてくれよHQ社。似たようなタイトルも多いし。これも、ややタイトルから受ける印象と内容が合致してないように感じてしまう。マシな方ではあったけれど。
ウブで妄想癖のあるヒロインは、まだ恋に恋するといった感じ。過保護な父の元を離れ大都会ロンドンへ。友人と町で談笑していると、素敵な男性が声をかけてきた。その後、会って間もないというのに誘いの電話がかかってくる。
キスをされて以来ますます夢中になるものの、ロンドンで得た仕事先の会社社長であると知り愕然。更には、彼の父親と、ヒロインの母親(既に離婚済みで現在シングル)は面識があり、しかも結婚を申し込まれたショックでヒーローの父は倒れてしまい、ヒーローはそれに腹を立てていると知ってしまう。誘われても母親のことがあってなかなか受け容れられないものの、彼への思いだけは募ってゆく。
今回のヒロインはひとりテンション高くテンパり気味で、可愛いっちゃ可愛いが鬱陶しい(笑)。橋本さんは色んなヒロインを描き分けられるのが魅力。
ヒーローは大人の余裕であしらいつつも彼女に惹かれているので実は既にメロメロ(死語)もいいところ。このふたりが織りなすコメディタッチのストーリィ。ヒロインが見ていてこちらの方が恥ずかしくなってしまうことを除けば満足、かな。ヒーローが後半暴走したりヘタレてゆく様を可愛いと見るか終わったな、と思うか、ヒロインのひととなりやキャラが好きになれるかで評価が分かれそう。所々クスリと笑わせるコマがあってそれがツボだった。ヒロイン壊れすぎ(笑)。
ロイヤル・ターゲット―ヴァシュミラの至宝
スーザン カーニー Susan Kearney 中野 恵 
コミカライズ担当:宮本果林(カラー有/描き下ろし)
架空の王国・ヴァシュミラを舞台に繰り広げられるサスペンス・タッチのロマンス。三部作第一作目。
ヒロインの父はアメリカ人でありながらヴァシュミラ独立に一役買った人物で、そのために命を落とし既に故人。その時の縁でヒロインの家庭はヴァシュミラからの年金によって支えられてきた。ある日ヒロインを皇太子のフィアンセとして迎えたいとの手紙が届く。子供同士の婚約を、生まれる前から決めていたとのことで、今回はその正式な申し込みだった。
その申し込みを前近代的と一笑に付すものの、母が病気で他界し、ジャーナリストとなってから、正式に取材という名目で訪れることが決まる。
異国の地の政争に巻き込まれつつも、皇太子に出会ったことで彼を知り、惹かれてゆくヒロイン。魔の手が迫り、彼女にも伸びてきた。
……正直ものすごく落胆した。
絵が雑に見えてしょうがない。元々端正な線というよりも、勢いで描く感じの主線で描かれる方なのだけれど、今回は下絵ナシ・一発描きしました、といわんばかりの乱暴さが見えてしまう。ロングの時の頭身は12頭身くらいあったりして、個性を通り越してややコワイ。
ヒキの絵は特に殴り書きのように見えてしまって、……どうしちゃったんだ? と。もうA5原寸で描いたんでしょーか、と疑いたくなるくらい。大抵縮小かけるとキレイに見えるもんなんだけど、縮小したというより原寸で粗い状態にしか見えない(実際、同じ人物のコピィ部分はとてもキレイ……)。ロング・ヘアのなめらかさだとかも感じられなければバックに散らされた花に丁寧さも見えない。やっつけ仕事っぽく見えてしまう。
いつもはキラキラしさに目をやられるんだけど、今回は雑さが気になって気になって何とも。
運命があるのなら
キム ローレンス Kim Lawrence 高田 真紗子 
コミカライズ担当:くればやし月子(カラー有/描き下ろし)
勤め先の上司でもあり社長でもあった男性にプロポーズされたことのあるヒロイン。その彼はストーカーの女に殺害されてもうおらず、今はその座を彼の弟が占めている。
兄の跡を継いで経営者として会社を仕切るヒーローは、独断的過ぎるために部下の不興を買っている。ヒロインも最初はその態度ややり方に反感を感じていたものの、一緒に過ごす内に誤解があったと気づく。
殺害された男を救えなかったという自責の念に駆られ、今も苦しむヒロインと、その姿を愛しているが故に苦悩していると思い込むヒーロー。
誤解があるまま、今度はヒーローにプロポーズされてしまう。
くればやしさんの絵は優しい雰囲気が漂うので、「R」レエベルはどんなもんだろうか、と思っていたけれど、思っていたよりは読めた。ヒーローがどうしようもない傲慢タイプじゃなかったから、ではあると思う。
物語そのものはそつなく描いているのだけれど、……ややコマの運びが単調な印象を受ける。緊迫したシーンに緊迫感が無く、何処かふんわりした空気が流れているかのようで、……うーん。
それなりの本数をこなしてこられた分、まとめ方はお上手だなあと。ラストに至るまでの数ペエジは良かった。ふたりに訪れた幸福感が漂っていると思う。
夏さんのゴージャスっぷり、橋本さんのハイ・テンションぶりで楽しませてもらった、かな。宮本さんはかなりがっかり。「やっつけ」に見えるのはHQ作品でなくともイタイと思うんだが……。くればやしさんは安定感が出てきたなあ、と思う反面、作品は選ぶかな、と思ったり。
来月は小林博美さん(三部作二作目)、篠崎佳久子さん、曜名さん(キター!!)、桜屋響さん(一応HQ生え抜きデビュウの新人さんでこれが初掲載)、瑞居幼子さん(HQ初)の5作。
曜名さんの(コミカライズ)作品が掲載されるだけでもう買いですぜ。篠崎さんの作品も楽しみ楽しみVv 小林さんは安定株だし。
新人さんと新顔さんがどう見せてくれるものか(桜屋さんが同人ちゃんだったけれど、男女カプお好きなようで安心した・笑。いや、べーこんれたすbyだいあもん、のひとが片手間にHQ描かれるのはセツナイので。煩悩炸裂な素敵イラストを拝んできた……ちょ、「ガ○スの仮面」てオレ的タイムリィ・笑。ごっさ期待する!)
来月号にどかんと期待。

ほん:HQ。 コメント(0) トラックバック(0)