今月のHQCM。24−1
ハーレクイン 2008年 04月号 [雑誌]
個人的に待ってました! なまんが家さんが3人も執筆なさった号なので楽しみに待っていた。という訳で一作目から順にいってみよー。
無垢なプリンセス (ハーレクイン・ロマンス 2192)
フィオナ・フッド・スチュアート 加藤 由紀 
コミカライズ担当:浜口奈津子(巻頭カラー/描き下ろし)
突然父親からスイスの寄宿舎より故郷ブラジルまで呼び戻されたヒロイン。家に招待されたある公国のプリンスと結婚しろ、とこれまた突然命じられる。当然反発するものの、実は父親は余命幾ばくもない状態で、プリンスに頼み込み娘と結婚させたがっていたのだ。急逝に伴って彼女はプリンスと結婚することになる。始めは仕方なく。でも、何処かで惹かれている自分にも気づいている。ただの契約。でも、そんなものでなくなって欲しいと願い始めてしまう。でも彼には女性の影もちらついており、不安にかられるばかりで、……。
えー……浜口さんです。少女まんがとしては正しく美麗な絵をお描きになるものの、HQとしてはややそれが瑕瑾となってしまわれる、浜口さんです。
でも、今回はヒーローがプリンスで、少々やさ男(お)でもそれ程気にならない……かな。ヒロイン父なんてちゃんと初老男性として描かれているだけに、それなりの立場や年齢にある男性をいつまでも「爽やか青年」状態で描かれるとちょっとだけ残念さを感じてしまうのは否めない。
ストーリィというか、キャラ造型が思っていたより読みやすかった。原作の方、つい最近日本デビュウなさった方で、ハイソな舞台と情熱的な物語で売ってる、みたいなことを訊いていて、「あーまた傲慢ヒーローとか?」と思っていたのだが。
この物語に限って言えば、基本紳士的かつ優しい物腰のヒーローに、まだ若いために子供っぽさを残す可愛らしいヒロイン、はイヤではなかった。
以前登場なさった時からそれ程極端に間を置かずの執筆だったのでちょっと勝手に心配していたのだけれど、相変わらず丁寧で美しい描線で描かれていた。好感度大。
ああこれでヒーローに逞しさとオトナの艶が漂うよーになられたら! たまらんかもしれん。でも、あの華奢さというか、線の細さもこの方の持ち味なんだろうなあ。しょーがない、のかな。
でも、HQと言えばヒーロー30代が多い中、大学生くらいにしか見えないのはやっぱりちょっと違和感感じちゃうんだよなあ。ううむ。残念。
明日恋をすれば
ジーナ・ウィルキンズ 島野 めぐみ 
コミカライズ担当:曜名(カラー有/描き下ろし)
仕事に感じる充実感、これからのキャリアへのやる気と希望、そして楽しく語らえるほどよい距離感のある友人。それ以上何が必要だと言うのか。彼も彼女もそう思っていた。ふたりの共通点は「世話焼きで口うるさい姉」。いつもふたりを誰かとくっつけたがる。今日も鬱陶しいまでの電話攻勢が――。
彼は思う。彼女に恋人のフリをしてもらったら? ふたりはパーティに出かけ、互いの姉に会い、どうにかやり過ごす。それで終わる筈だった。なのに、ふたりはいつしかキスを交わしていた。
こーれーはー……。原作がそうなのか。それとも125pという規定枚数に収めるためにあちらこちら削ったり工夫した結果なのか。
何とも淡々とした物語……。
曜名さんは「オトナなHQでいきます!」と宣言されていたので、楽しみにしていたのだが、……これはちょっと地味過ぎたというか何というか、……。
ふだん「そこまで!?」とちょっと吃驚するくらいはっちゃけたりもなさる方なだけに、この淡々とした物語、抑揚というかメリハリというか、そういうものが足りなく思えてしまう。それでいて、時々ちらりちらりと「いつもの曜名節」が顔を覗かせるので、ちょっとだけ戸惑ってしまう。
確かに、しっとりした印象は受けたし、悪くはないのだけれど、やはり何というかメリハリが。高揚感みたいなものが足りないカンジ。ラストに向けてのドキドキがもっと欲しかった。
いっそ、とってもせくちー☆とか、いかにもHQテイスト(野郎が傲慢でベッドの覇者)なのを割合そのままで描くとか、ふっきれちゃいましたよ的飛躍があった方が良かったんだろうか。
いやもうとにかくとろ〜りとろりとシチュウの如くゆるゆる〜〜んと物語が進み展開し、ふだん見せて頂いていたはっちゃけっぷりや元気さが感じられないのがややサビシイくらいで。
決して悪い物語でも無い、と思うんだけどなあ。比較的頁数の多いレエベル(「スペシャルエディション」というレエベルで、基本レエベルの「ハーレクイン・ロマンス」よりは厚めで、物語もそれに従ったボリュウム感がある)だから、結構色んなエピがあったのではと思うのだけれど、その取捨選択が今回はよろしくなかったのか? それともそもそもこういう物語なのだろーか。心理描写が多くて、出来事やエピが控えめだたとか? うーむうーむワカラナイ。
オトナ、というより、何というか、地味でした。曜名さん、ウェットなのお好きじゃ無さそうだしなあ。これ、全編ドライなの。辛口とゆーのではなく、ウェットじゃない、つー意味で。じめじめ、とか、うじうじ、とか、しくしく、とか、そういうものと無縁。
抗えない情熱、とか、押さえきれない衝動、とか、そういうものからもたらされるマイナスな感情とかが、ほとんど無い。故に、どちらも感情的なキャラではなくて、論理的で淡々としてる。私、論理的、大好きなんだけど。でも、そこから逸脱してしまう・させてしまうほどの「ナニカ」が、ろまんすモノには欲しいとも思ってしまう。コレのバランスがいい作品はもうたまらんミリョクがあるんじゃなかろーか。
あれだな、キャラクタアの感情の起伏と、物語のソレが連動しちゃってるな。アクセントになるものが足りないように感じてしまう。感情的過ぎるのも鬱陶しいけれど、起伏があまりなくて平坦だとそれはそれでメリハリに欠けてしまうのかなあ、と。
ただ、試みとしては素晴らしいと思う。今までやってなかったことをやろう、というのは大事なことだから。今後更に、曜名さんの思う「大人っぽさ」を追求したコミカライズも読んでみたい。
あれですな。新たなる旅立ちの序章、ってヤツですな、今回は。次回に期待。

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