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2008-06-25 Wed 18:03
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セレックグラスティーカップ&ソーサー 280CC
![]() 友人と一緒に出かけたメインの用事というかイヴェントは、特別展示を観に美術館へゆくことだったのだけれど、無論あそこもそこもと寄り道しまくりである。 たまたまある目当ての食べ物を求めて行った先に、その店はあった。実は存在は知ってはいたものの、入ったことのない雑貨屋があるのだ。 こぢんまりとしていて、上品な佇まい。小さなお店だけれど、意外に入口は大きく開かれていて、オープンな印象を受ける。 私の趣味や好みを知っている友人は、にんまり笑って「寄る?」と尋ねてくる。 「寄りたいでしょ? 寄っていきたいでしょー?」 全身からそのよーなオーラ発しまくりの挑発しまくりである。この悪魔ー!! でも、中に入って一変、悪魔な友人が天使サマに見えてしまったのであった。 入って正解Vv 白が基調の内装に、モダンさとクラシカルな雰囲気双方を感じさせる棚があり、リネン・ファブリックの類から、食器、ステイショナリィ、切手(!)、アンティーク…コレクティブルズ、かな、などなどを置かれ、販売していらっしゃる模様。そして、そのこぢんまりした店内の一角に、更にこぢんまりとしたブースのような空間がある。棚を取り付けた壁を背に、テエブル。でもその存在にはっきり気づいたのはふいに声をかけられてからだった。 店内には女性がひとりと男性がひとり居たのだが、男性がいちばん小さなサイズのデュラレクスのピカルディに注いだ紅茶を私たちに勧めてくれた。受け取って飲む。グラスは温かい。甘い香りが立ち上る。砂糖はナシ。でも、香りも後味も甘い。CTCみたいに濃ゆい味ではなくて、しっかりしてはいるけれどさらりとした、リーフのちょっと軽めの味にミルク。 その方はとても穏やかな表情をなさった素敵な男性で(もう紅茶を淹れて勧めてくれる、というだけで「素敵」よ・笑)、しかも試飲させてくれるというよりもてなすかのように差し出されたので思わず気持がほこほこする。 飲み終えたグラスを返しにゆき、並べられた茶葉のサンプルに友人と見入る。そのほとんどが中国茶。紅茶は数種でブレンドではなくガーデン・ティっぽい。 「東方美人って、美味しいらしいんだよね」 とか、あれこれ話していたら、その男性はやはり穏やかな口調で色々とお話しして下さった。お茶の味わいや特徴のこと、あれこれ。そして、更に試飲させて下さるという。 「お時間大丈夫ですか? せかせか淹れると、せかせかした味になるんですよね」 げに、げに! 私たちはもう時間なんて半ば忘れ去ったかのように、話しながらお茶が入るのを待った。 使っていらっしゃるポットのこと、茶葉の買い付けのこと、それぞれのお茶の特徴。ああ、いいなあ、ゆるゆる〜っと時間が流れているのがわかる。 ポットでお茶を淹れることで得られる幸福感の極みはこの時の流れの緩やかさと漂う仄かな芳香だ。淹れて頂いた「東方美人」はふんわりと甘い香りが漂い、紅茶のように飲みやすかった。湯を注ぎ茶を淹れた後の茶葉はキャラメルのような香りがする(その香りもまた楽しませて下さった)。 お店のお二方は御夫婦なのかはたまたごきょうだいなのか。それとも単なる御友人同士? いずれにしても場所を時間を共有なさっていながらもそれぞれの仕事をなさっている姿はとても羨ましく思えた。 店内をしつこくしつこく何巡もし、友人とあれもいいそれも欲しいとおしゃべりをして、それぞれに茶葉や雑貨を贖い、店を後にした。 私の収穫は、薬瓶(硝子の栓をするタイプのクラシカルなもの)とルーマニアの古切手(使用済み。何と90枚も入っているのに破格のお買い得価格!)、「東方美人」(特級・上級)、「四季春茶」の3種。切手はスウェーデンのとベルギーのと迷いに迷って、何となく「うむ、今回は東欧にしようか」と思ってルーマニアに。何でだろう? 茶葉はなんと10g単位の量り売りをしてくれる!(お試し用に少量パックしたものも用意されているのだけれど、希望すれば希望した分だけパックしてくれる。何処産のもので何という茶なのかはその場で手書きして下さる、というのも何だか嬉しい)中国茶は紅茶と違って、一煎のみではなく、味や香りが無くなるまで飲めるから、一杯2gとしてら5回は淹れられて、その一回一回数杯楽しめるのだからある意味リーズナブル。実は私はあまり中国茶は得意な方ではないのだが、今回は「美味しい!」と思ったので買ってしまった(家に紅茶がうなってますがね↓)。 本当に本当に、時間が緩やかに流れる。どちらも穏やかでにこやかで気持のいい応対をして下さって(私が買うと決めた薬瓶や切手を持ってお茶の話を伺っていたら、女性が「こちらでお預かりしましょうか? バッグや傘をお持ちで大変でしょう?」と声をかけて下さったり。 せかせかした毎日を送っていたので、殊更染みるあの平穏な時間と空気。店の中の何もかも、もうお二方すらも丸ごとひっくるめて全部を持って帰りたいくらいの心地よさだった。 お茶は、実はまだ飲んでいない。仕事と、職場のある場所へ戻って、「ああ、今何だかキモチがささくれ立ってる。のんびり出来てない」、そう感じた時に(……もうほぼ毎秒だけれど)ゆっくり楽しみたいと思っているから。 また行ける日が来るといいなあ……。九州で親しくしてもらった友人も連れていって、きゃあきゃあしたいし、今回一緒に行ってくれた友人ともまた行きたい。 たいせつなひとと行きたい場所のひとつ。何というか、小説や映画の中でしか見られないような、理想を絵に描いたようなお店だった。本当にあるなんて! 小さな別世界。おはなしの中に入り込んだような、夢心地になれるところだった。 とっておき。 |
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