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小学生の頃、図書室か学級文庫で見つけた一冊の本。
くるみ割り人形
辻 信太郎
4387911700

「くるみ割り人形」写真絵本。

もうぼろぼろで、ガムテエプで補強してあって、それでもなおぼろぼろだったままに「大切に」されてきた本。繰り返し借りては読んでいた。
とにかく人形の出来が素晴らしくて、これを一コマ一コマ動かして動画になっているのか、と思ったらどんな風に動いてるんだろう、とかあれこれ想像してはうっとり。絵本で見てこれだけ綺麗なら、動いている様はもっとすごいんだろうなあ、と思っていた。

でもって、この本が未だに入手可能、という事実にかなり驚いている。もう絶版かと思い込んでいたのだ。巻末に撮影にまつわるエッセイなんかが掲載されていて、とても苦労したらしきことを知ってその手間暇かけた作業に驚愕し、賞賛を送ったものだ。


ようやく観ることができました。つい最近廉価版が「サンリオ」から出されて、何と¥1,575で購入出来てしまうのです(今まではキング・レコードだったかな、そこから出されていて、¥4,000以上するので、買うのをずっと躊躇してました↓ それでも、1979年に公開された作品がヴィデオなりDVDになっていて、今でもちゃんと手に入れることが可能だった、ということ自体には感謝しまくってましたが)。昔、「サンリオ」は何本か、結構な規模の映画(アニメイションが主)を制作していたのですが、最近は子供向けのしつけアニメ程度に留めているようです。その「版元」たる「サンリオ」がやっと! とうとう! それも廉価版で! 出してくれて、初めてそれを書店で見かけた時はひとりはしゃいで一緒にいた友人を呆れさせてしまった↓ それくらい嬉しかったんだよう。これがサンリオ版DVD。
「くるみ割り人形」

で。あまぞんでも扱ってるよね、と思って書店では買わないでいたら、今に至るまで入荷している気配すらナシ。我慢出来なくなって見つけた書店に買いに行ってしまったわよ! ええいくそ!

……よかったです。観たことはないけれど、写真絵本で何度も読んでいたので、何だか懐かしい気分に浸りつつ、「ああ、こういう音楽ついてたんだ」とか「こういう感じだったのか」とか色々発見や新たに知ったこともあって新鮮でもあり。買ってよかったなあ、としみじみ。
バレエのアレンヂされた物語とホフマンの原作を辻氏がミクスさせてさらにアレンヂ、と少々ややこしいことになっているのですが、元を知らない私には未だコレこそがオリジナルで、成長してしまった今、逆に「本当なら原作ではどうなってんだ!?」とか「バレエならどう表現されてるの?」とか気になるようになる始末。アレンヂされたもの、の存在意義はこういう所にあるよな、とひとりごちています。

物語は、明日は大好きな従兄弟のフランツが来るという前の晩、クララが叔父のドロッセルマイヤーに「醜い」くるみ割り人形をもらった所から始まる。そのくるみ割り人形が何故か鼠たちによってさらわれ、クララは鼠たちと、そしてドロッセルマイヤー叔父さんの消えた居間の大きな時計の中へと冒険に出かける。そこにあったのは人形の国。皇帝によって統べられた、平和そうなその国は悲嘆に暮れていた。姫君・マリーが鼠の呪いで姿を変えられて眠り込んだままなのだ。マリーにそっくりのクララを見て驚く皇帝や家臣たち。マリーの呪いを打破し、平和を取り戻すべく、皇帝に呼ばれたのは近衛隊長(だっけか。←半ば興奮状態で見ているので要所要所で忘れている↓)のフリッツ。クララとフリッツのふたりは何となくひと目で惹かれ合うものをうっすらと感じる。呪いを解くには何によっても割ることの出来ないとされている胡桃を破壊すればいいと知り、フリッツは兵隊たちを引き連れて鼠たちの巣窟へ向かう。ところが彼は姫の呪縛を解いた代償にあの「醜い」くるみ割り人形へと戻ってしまう。フリッツの呪いを解きたい。強い願いを抱いてクララは諦めることなく前進する――

とゆーカンジのオハナシ。人形がとにかく愛らしかったり不気味だったり端正だったり、キャラクタアの個性をひとりひとり出していて、よくぞここまで丁寧に繊細につくって下さいました、と御礼を言いたいくらい。衣装の出来がまたとてもいいし、「セット」も素晴らしく凝っている。さらにはアングルまでもが凝っていて、2階まで吹き抜けの大きなホールの下から、手摺越しに階下を見つめるクララ、というショットがあるんだけど、実際のスケエル感があるのだ。ヒトが実寸の家のセットで撮影したみたいな広さ・高さを感じさせるの。家具――調度品もすべてが美しくて素晴らしい。あの大きさ(だいたいどの人形も大きくて男性の掌大くらいの高さしかない)に合わせて全部つくったわけだけれど、品格のあるいいお屋敷のお嬢様・クララの家に相応しい重厚感と上品さに溢れているし、人形の国は何処までも可愛くて玩具ちっくに出来ているし、鼠たちの住まう場所は汚穢やどす黒い雰囲気を醸し出している。街の風景も森の風景もそれぞれに風情があるし。町中の佇まいとかいいわー。

現在の技術に比べればやはりやや見劣りするのだろうけれど、モーション・アニメとして秀逸だと思う。クララが何とも愛らしいし、フリッツが紳士的で格好いい(……このフリッツ、……幼少の頃から思っていたのだが、……高見沢顔してる。ええ、あのあるふぃーのたかみざわ。通称タカミィに)し、夜おとなしく眠ろうとしない子供を夜な夜な捜しては見つけ出して鼠に変えてしまうオハナシの中の登場人物・「ジャンカリン」もまたうさんくささと怪しさを醸し出していていい。

全編おとめちっくでめるひぇ~んな世界。クララのフリルたっぷりのドレスに縦ロオル・ヘアもたまらん。フリッツと旅立つお菓子の国の愛らしさ(何故かサンリオキャラが乱舞している・笑)と美味しそーなところがまた何とも。いきなりバレエ・シーンが挿入されて吃驚した。しかも世界の森下洋子。ソロだけだと思っていたら、彼女のパートナーとしても有名な清水哲太郎氏とのパ・ド・ドゥまであるし(! ソロの部分では、人形のクララと森下さんの踊りがシンクロします。ものすごい努力だー・涙)。
でもテエマは「本当の愛ってナニ?」なんだよなあ。子供には哲学よね。本当に誰かを愛する、というのはどういうことなのか、というでっかいテエマをぽーんと。楽しませつつも考えさせてくれるという。

オンナノコの幻想と夢と現実とが絶妙なバランスで配合された可愛らしい、でもただ甘いだけではない砂糖菓子のような一編。最後がまたいいのです。誰も居ない部屋でひとりで観てたら「ぎいやあああああああああ!(赤面)」とか叫び出しそうなあまーい! ラストで(笑。またねえ、妙に官能的なんだよなあ。高見沢顔…いえ、王子顔した男とクララが見つめ合うシーンてのが)。
どこからどこまでが夢で現実か、あるいはそもそもそのあわいの中にあるのかも判然としないまま、クララは恋心と愛情との両方の何たるかを知る、という、何歳になっても消えない「少女」の部分をくすぐる物語。

「すれっからし」というコトバがまだ微塵も似合わなかった頃の杉田かおる嬢が初々しい声でクララを演じております。フリッツは志垣太郎……思えば彼はあのアニメ版「ベルばら」でアンドレ役であった…!(ちなみにオスカルは田島令子さん。どっちも「さんま御殿」で拝見しているとナニカがガラガラと音を立てて崩れて行くぜ!)いや、好演してらっしゃいました。サワヤカで。ええ。
声優陣が無駄に(失礼な)豪華なのも必見です。EDのエンド・ロール観て吃驚したぞ。益田喜頓て!(皇帝役で声をあてておられました)

3年もの時間を費やして、一コマ一コマ時間をかけて丁寧につくられた世界。こうして20年以上の時を経ても色褪せずにいるのは、つくり手の愛情と根気の故でしょうか。また観なくては♪

★2008年5月現在、Amazonでもちゃんと購入出来るようになっています。く、悔しい、何かが悔しい↓ もう持ってるからいいんだけどもー!
くるみ割り人形
杉田かおる 志垣太郎 西村晃
B000EOTH8S

もうひとつ観てみたかった、「シリウスの伝説」、買うか……?
シリウスの伝説
古谷徹 小山茉美 宇野重吉
B000EOTH7E

  
コメント
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││12/13 17:11│編集
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││10/30 23:21│編集
気づくのが遅くて申し訳ございません。
あき35様、コメントを頂戴していたのに
今気づきました。
仕事が忙しくブログにアクセスしておりませんでした。

私がこの記事をUPした頃には、
まだAmazonでの購入が可能でした。
2010年12月現在、絶版のようです。
サンリオから発行されているのは変わっていませんでした。
Amazonにて画像付でUPされているものは
2001年に再販されたもののようです。
 
ヤフオク等で見つけることが叶ったとしても、
かなりの高額になっているかもしれません。
水玻。│URL│12/19 03:04│編集
懐かしいぃぃ(涙)
唐突にコメントしてすみませんが、私も幼少時に大好きで、毎晩のように読んでもらっていました!本を探しているとこちらのブログに行きつきました。本は今でも絶版ではないのですか?よろしければ、出版社名や詳細を教えていただけないでしょうか。宜しくお願いいたします。
あき35│URL│11/08 23:53│編集
お役に立てて何よりです。
ほぼ自分の楽しみのためにのみ書いている、
と言っても過言ではないこのブログが、
少しでもお役に立てたようでとても嬉しいです。
今はちゃんとAmazonでも購入出来るようになってるのですね。
当時は無くて、書店に走ったんですよ。んもう、あまぞんめ!

再度の御訪問、ありがとうございます。
またよろしければ遊びにいらして下さいね。
水玻。│URL│05/15 05:05│編集

私もこのブログでDVDがあるのを知り、思わず購入させていただきました!今週中に届きます。情報ありがとうございました。
スタンレー│URL│05/15 03:16│編集
嬉しいです!
お立ち寄りありがとうございましたVv

この作品、身近な友人たちは知らないらしく、
懐かしさを語ったり出来ず寂しかったものなのですが、
こうしてかつて読んだことがある、という方がいらして
本当に嬉しい限りです。

古い記事なのにコメント下さってありがとうございます。
またDVDを観たくなりました。
水玻。│URL│05/14 19:28│編集
なつかしいです!
たまたま『くるみ割人形』を検索していて、このブログにたどりつき、思わず書き込んでしまいました!当方もう30歳すぎですが、この本は捨てられずボロボロになった今でも大切にしています。
本当にすばらしい作品ですよね。母がいつも寝る前に読んでくれていました。ジャッカリンが本当に恐くて、彼が登場する前に眠ってしまっていたのを思い出します。
スタンレー│URL│05/13 00:36│編集
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