今月のHQCM:4
ハーレクイン 2006年 08月号 [雑誌]
B000FVR6JC

……今回はどの作品も楽しめた、ような。作家さんによっては「……そのふぁっそんは如何なものでしょうか……」という方がいらっしゃったりもするのだけれど。概ねは楽しめる仕上がりだったかな、と。

孤独なシーク―砂漠の王子たち〈2〉
アレキサンドラ セラーズ Alexandra Sellers 那珂 ゆかり
4596001529


コミカライズ担当:星合操(巻頭カラー/描き下ろし)

3部作の2作目。……作画が丁寧な気がする。いや、いつも別に粗い訳でもないのだけれど、アップ多めで「ちょっとやっつけ仕事に見えますよ、センセ」な時が多い方なので。背景をそれほどきっちり細々描き込むタイプの方ではないけれど、何となく雰囲気は伝わってくる、というある意味得な方だと思う(ははは…)。

中東の架空の国・バラカットを舞台にした第2弾(この後さらに何作かスピン・オフが出て、しかもその後出の作品の方が先にコミカライズされた。……本家並みに「その刊行順はやめれ」なことをかますのね)。中央バラカット(3つに分かれているそうで)を治めるプリンス・オマールと、彼の娘たちの英語教育を任されることになったジェーナの物語。
強引なシークに言うこと聞かされて働いてる内に彼のココロの影の部分を知ってしまってより強く惹かれてゆく…というお約束のストーリィでお約束の展開。最初の結婚が幸福なものとは呼べないままに終わってしまったが故に心を閉ざしがちなオマールをジェーナが解していきながら互いを想い合うまで、をある意味淡々と。もちろん、ちょっとした事件は起きますが(ちょっとした事件、てのはヘリの事故や山賊に襲われることを言うのかね、紫堂よ)。
忍耐強さと気骨あるところが多分ヒロインの魅力なんだろう(自立した女性を描きたいとは言え、何の許可もなく姫君2人を連れ出す、ちうのは如何なもんなんだ?)。
シークものは基本のラインがあまりにも決まってしまっているので、余程ひねらないと目新しさは感じられない(かといって「テキサス・シーク」てのもどうかと思うが。←ええ、アメリカのテキサスに居るんですよ、シークがね)。隔月とは言え新鮮みはあまり感じられないのが個人的には難点。

伯爵と踊り子
ジョアンナ・マンセル 高田 真紗子
4833513250

(これはもう何をどう探しても画像ナシ。古いからなー。代理でコミカライズ担当した浜口さんのコミックス表紙を。絵の雰囲気だけでもどうぞ↓)
神様に嫌われて
浜口 奈津子
4091304486


コミカライズ担当:浜口奈津子(カラー有/描き下ろし)

タイトルだけだとまるでヒストリカルだな↓ ダンサーとして生きるフィリッパは婚約するものの、それが勢いだけで本気ではないために少しばかり困っていた。ある夜チュニジアで仕事としてベリィ・ダンスのショウに出演中ぶしつけな男に出会い、それが自分の婚約した相手の叔父だと知り、呆れたことに誘惑され自分の愛人にならないかと言われる。その男が伯爵であるために情報を早くも嗅ぎつけたパパラッチの追っ手を振りきるべく、彼の屋敷のあるロンドンへ。彼の甥にして彼女の「元」婚約者はすでに旅先で新たな女性と恋に堕ちたという。すでに持ち上がった話をただのスキャンダルには出来ないから、と自分と結婚しろと迫る伯爵・ジェームズ。惹かれてはいるけれど、相手が自分に抱いているのは欲望と独占欲だけ――。

男性にしろ女性にしろ繊細というか線が細いなあ……。いや、綺麗な絵だとは思うけれど。少女まんが的に正しいけれど、とてもとても無国籍だ(笑)。
ダンサーとは言え、あらゆるショウをこなすヒロインは、それでも自分の仕事には誇りを持っていて、両親を失った後も気丈に生きている……けれど、実は過去のある出来事のために結婚も恋も諦めなくてはと思いながらも寂しさと闘っている――らしいんだけど、ちょっと描写が足りないかなあ、という気が。
ある程度読み取れるんだけど押しが足りない気がする。そこがもったいない。
野郎はひたすら身勝手で馬鹿(それで片づける私〜♪)。ヒロインが真っ直ぐに誠実であろうとしてるのに「愛なんて信じね〜」とかヌカして傷つけまくり。さらには「ヤっちまえばキモチも変わるだろ!」とばかりに無理矢理抱いてしまう(……レ○プじゃないか、それは)。そこで捨てられて初めて気づくんだからやっぱり馬鹿だ。鬱陶しいのう。責任感だの罪悪感だのたっぷり背負い込んでいるらしいのだが、それをヒロインとの関係にまで持ち込むのがイヤだなあ。とりあえず最後は自分から出向いたからマシか。ううむ。

恋のスタンバイ
ジェシカ スティール Jessica Steel 小谷 正子
4833552876

(参考画像としてコミカライズ担当の陽村さんの作品の表紙を)
魅せられた秘書
キャシー・ウィリアムズ 陽村 空葉
477671826X


コミカライズ担当:陽村空葉(カラー有/描き下ろし)

陽村さんの場合、地に足がついてるな、と思わせる設定の物語の方が向いてるな、という気がする、と言おうとした矢先にパイロットとキャビン・アテンダントの恋物語である。足がつくどころか飛んでるよ、空(ははは)。要は、シークものとかロイヤルものなんかの、ごーぢゃす感命! みたいな設定のオハナシじゃない方が合ってる気がするな、という意味ですね。
今回は久々にヒットVv 素直に楽しめた。
恋人の裏切りを知ってしまったティファニーは両親の離婚以降可愛がっていた叔母との電話での会話中、あれこれあって結婚前提の付き合いのある恋人がおり、それがいつも(自分には特に)不機嫌かつ愛想のないパイロット・ベンであると誤解される。おまけにそのハナシがすでに噂になっており、ふたりは結婚するものだと周囲に誤解される。どういう訳かベンは結婚話を事実にしてしまおうと言い出すわでティファニーは混乱しまくり。

……野郎が素直じゃねえ上にヒロインを誤解しまくりで、嫉妬から出てくるものではあるものの一方的に詰ってみたり、とお約束てんこ盛り。すれ違ったまま彼は仕事で飛行機に搭乗、彼女は地上で帰りを待つ、という時に飛行機が事故を起こしたと連絡が、というまた素敵にベタな展開。
とりあえず中身(人柄)を気にしなければ(笑)陽村さんの描く男性は大変魅力的で、逞しさや精悍さを持つキャラクタアを絵にさせるとピカイチ、という気がする。今までよりも女性キャラが魅力的になってきたし(私は女性キャラが男性キャラに比べて絵的に見劣りしてるよーに感じると、「……実はBL畑のヒトがとりあえずデビュウ出来りゃいいや、ってHQ来た??」などと疑ってしまうタチで、初期はかなり疑っていた。でもその疑惑がすっかり晴れた訳でもなかったりする↓)。ただ、いつも似たようなヘア・スタイルだったりして歴代ヒロインずらり並べたら皆同じに見えそうな気が。いや、まあ、それ言ったら男性キャラも(以下略)。

永遠をさがして
シャロン サラ Sharon Sala 槇 由子
4596632626


コミカライズ担当:知原えす(カラー有/描き下ろし)

やや長めの作品を他の作品と同様の125pにそれなりに収まっていた所は買い。しかし、どの作品を見ても、どことなく不思議なふぁっそん・センスのヒロインばかりだ……。年齢や職業、土地柄(?)や環境とファッションがかみ合ってない時が多くて、そういう瑣末なことに気を取られて作品にのめり込みにくい。
亡き母の残したレストランをひとりで切り盛りするヒロイン・オナーの元に突然現れた謎の男に惹かれてゆくものの実は彼は……とどんどん話が転がってゆく。サスペンスが売りの「ラブ・ストリーム」作品らしい話ではあった(さらには、傷ついたひとが癒されてゆく過程を描くことで定評あるらしきシャロン・サラ作品で、「なるほど、そういうカンジだね」という展開でもあった)。
それほど極端に悪い仕上がりではないと思うんだけど、絵がなあ。よくも悪くもめっさ庶民的で、日本が舞台ならしっくり来るんだろうか、といつも思ってしまう。雰囲気で「はい、ココ中東ですよー、はい、このひとプリンスですよー、このオンナはライバルねー」と描ける作家さん、それはそれで才能なんだな、と思えるようになってきた(笑)。雰囲気も大事なんだな、と。その土地なんだろうな、と思わせるような空気とか匂いみたいなものが作品から読み取れないのが残念。かと言って日本でも無いらしいし、と。

来月は大好きな橋本多佳子さんが登場するのでそれだけで楽しみナリ♪(あとは、個人的に好きな作家・バーバラ・マコーリィ作品がコミカライズされるんだが、それは何となくビミョー……)
【2006/06/22 23:45 】 | ほん:HQ。 | コメント(0) | トラックバック(0)
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