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英国お菓子めぐり
山口 もも ![]() イギリスのお菓子(ここではとりあえず焼き菓子。ガムとかキャンディの類はとりあえず除く)は、紅茶を美味しくいただくためにある、と勝手に思い込んでいる(歴史と伝統はちょいと置いといて)。絶妙なる喉越しの悪さ。口中の水分をほどよく奪うほろほろ・さくさくとした食感。ケーキはどっしりめ、ドライ・フルーツやナッツ、バタと小麦粉と卵が奏でる食べ応え。クリスマス・プディング? あれをそのまま黙々と食えと? 御冗談を!(って、食べたことないけど♪)紅茶ありきの美味である、と私は思ってるんだけど、どうなんだろう? そもそもアチラの方は、ふだんは大層質素な食事で済ますというではないか。それでいてお茶の時間、それも Afternoon Tea ともなればこれでもか、と3弾重ねでででん! と楽しむときてる(いや、毎日すべての人々がそんなごーぢゃすに楽しんでいるわけではなかろうが)。 合間を縫うように、あるいは物事に、時間に、区切りをつけるようにお茶を、お茶の時間を楽しむ。近年はポットでリーフ・ティ、というわけでもなく、ティ・バッグにマグで至極あっさり簡単、添えるのもビスケットやクッキィの2つ、3つ、であるという。忙しい故にゆったりと味わうのは難しいのだろうけれど、反面、忙しかろうとお茶を楽しむ余裕を決して捨てないところがいいなあ、と思う。 大食は七つの大罪のひとつ。でもって彼らにはピューリタニズムという縛りがある。その故か、食べることに関して、「執着」と呼べるような感覚は欠如しているように見える。少なくとも、フランス人やスペイン人、イタリア人といったラテンな人々のような情熱は、料理そのものからもあまり浮かび上がってこないのが現実(フランス人は料理の最高峰は自分とこだ、と誇りを持ってるんだろうが、元を辿れば輿入れの時にイタリアのお姫さんが連れてきた料理人のおかげで発展した、と聞いとるぞ。ついでに言うならそのイタリア料理はスペイン人がもたらしたものが基礎であるらしい。所謂「スポンジ・ケーキ」の元となるレシピを発案したのは時の趨勢を掌握していたスペインだというし。なるほどね、やはりその時の頂点に君臨したところから、技術だの何だの、革新的なものがもたらされるわけよ)。
さて本題に戻る。そういうわけで、TOPの本。期待大、でございます。その土地でしか食べられない、その季節にしか味わえない、そういうお菓子がある、ということが何だかいいなあ、と。うー、欲しいぞー!! 日本全国どこからでも手軽にお取り寄せ、とか年中ハウス栽培のおかげでどんな果物も食べられます、ってのは、便利だし技術の進歩だしいいサーヴィスだなあ、と思うけど、季節感とか土地の空気までは「直送」だの「実感」だの、できないからなあ…(そう「感じ取る」のは個々の自由だけど)。 何で読んだんだったかなあ。トースト、てのはアチラの国では、ジャムやプリザーヴを食べるための土台だ、ってヤツ。パンを食べる、そのための添え物、じゃなくて、季節の旨味を閉じ込めたジャムを食べるためにあるらしい。そりゃパンは炭水化物、大事なエネルギーなんだけど。「便利だから」で闇雲に「先」に進もうとしないところが、何ともいいなあ、と。その便利に浸りきって日々暮らしてるんだけど(ええ、真冬に苺、練乳ぶっかけて食べましたとも!)。浸りきってるだけに、その季節のモノをその季節にこそいただく贅沢さ、というのを忘れてるなあ、と思ったり。 下の本は、文庫サイズでありながら(といっても少々特殊サイズだけど)、本文の紙質良し、カラーの写真ふんだんな、イギリスのお菓子のレシピ+エッセイ集。ハーブ研究しようと渡英した時、イギリスのハンドメイドのお菓子の美味しさにも惹かれて、知り合ったひとたちからレシピを教わって自分でもつくって楽しむようになったらしい。レシピのみの本が好き、という方にはオススメできないけれど、私個人はそのイギリスでの人々との出会いやお菓子にまつわるエピソオドなんかも読めるところが好きです。 イギリスのお菓子 楽しいティータイムめぐり 北野 佐久子 ![]() |
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