脱力感すら味わえず。 |
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2006-08-21 Mon 23:10
やじきた学園道中記 29 (29)
市東 亮子 ![]() ![]() ……あー……やっぱりコレを表紙にしちゃったんだー……(がっくり)。正直、コレだけはおよしになって、と思っていたのだが。誰やねん、向かって右の狸顔のねーちゃんは(涙)。やじさんが……あたしのやじさんが……こんな狸娘にされちゃって……! やじさん、日サロで顔だけ失敗したのか!? みないな顔色じゃあないか! さあ、この再開直後の美麗な「アナログの」カラアを御覧遊ばせ。 ![]() 美しかったわー……。タッチも繊細で。着物の柄ひとつだってレエスの重なり具合だのモティフだの、まさにひとつひとつ一本一本細やかに丁寧に描かれていた方なのに。CGになってしまわれてからは、本来の持ち味が消えてしまい、悲しいことこの上ない。 12年という年月を経て再開し、喜んだのも束の間、結局の所、作者サマのサアヴィス精神旺盛さ故の顔見せ興行的流れのままに終わってしまった、という観が否めない。正直この物語に6冊も費やしたこと自体が「うっ……」とコトバに詰まるものがある。 赤目に眠る謎の財宝とそれに纏わる古来より囁かれる謎と仮説、それを守る忍びの者たちとそれを奪おうとする人間、暴こうとする人間が入り乱れてあれやこれや……と書くと何やらものすごくわくわくさせてくれる展開を期待してしまうのだが、お気楽極楽な貴人(=奇人。大抵は)の典雅なお遊びに巻き込まれた「だけ」でしたー、謎? そんなもん明かすだけ野暮ってもんさ! で終わってしまったのであった……(「野暮ってもんさ!」な部分は予想ついてたし、それはそれで粋で悪くないとは思ってるんだけど)。 そりゃあね。ラスボスと言われた葵上総介は登場しましたよ。花の顔も御披露なさり、ラスボスたるに相応しい(?)武術の腕前も御披露なさり、挙げ句姫御前(作中一の奇人にして妖怪変化……いや、ある意味誇張ではなく事実)の婚約者と来たし。 でも、「赤目編」において登場した新キャラたちが如何に動くか何を考え行動するのか、そういったことよりも、これまでに登場したあんなひとやそんなヤツらに翻弄されて何だかなー、といったカンジ。彼等そのものの信念めいたものとか行動原理が解ったような解らないような、なハンパなカンジがしてもったいない。それなりに物語や展開において重要人物「らしい」のに、ちょろりと出た後音沙汰無くなってラストでぽん、と登場してみたり。 今までの物語では、それぞれの舞台において登場したキャラたちそれぞれに、それぞれの思惑等があって、それを貫く為に大活躍! ってなノリが見受けられたけど、今回は色んな意味で受け身の状態。 「かつてのあんなキャラそんなキャラ」はあそこまで出張る必要あったんかいな、とも思ってしまうし。主要キャラは単に暇人どもに振り回されていた「だけ」だった……。何だよう、それー(涙)。 だいたい、やじきたCが受け身で、終始翻弄されているか振り回されているか、という状態故に、今まで味わえた爽快感が欠如してる。 過去のキャラ総動員なんて何時だって出来るのに。何もこの「赤目編」がラストって訳じゃないのに。一応それなりに人間関係が新たに判明した点もあって、その辺りは伏線としてのもの、必要に応じてだとは思うけど、……今後どう何が展開するのか皆目検討もつなかい。楽しみだ、という意味合いで、ではなく、「どう収集つけるんでしょうか?」という意味合いで、だ。 ある程度は関係が生じ、けれどそれっきりなのがまた良く、という塩梅の良さが、今回でぐずぐずになってしまったように感じる。そこまで関係性繋げちゃわなくても……と何だか新たに「既存・既知のキャラ」が出るたびにゲンナリしてしまう。 それでも、まとめて読めば、それはそれでそれなりに読める。けれど、何度も何度も読み返してはあの興奮、高揚感よ再び! ……という気分にはなれない。今までは何度も何度も読み返しては「っかー! やっぱり面白えや!」と思えたものなのだけど。 描線の荒れも何だか気になるし。かつてはクセのある描線が味わいだったのが、こなれてゆくにつれて洗練されてゆき、ある意味画一的で綺麗ではあっても面白みには欠けてしまった、と思っていたら今度はやや劣化したかに見えるあの描線(正直に言うと、ちょっと乱暴に書き殴ったように見えてしまう時がある)。目がお悪いとのことなので、そのせいもあるかもしれないのだけれど、何ともカナシイ気分になってしまう。 今度は何時再開になるんだろうなあ。何でもまた新しいシリィズ開始なさるそうで。折角これまた10年以上のブランクを経て再開した「JUKNS(旧「東から来た男」)も1巻が出たきり描かれておらず、原作付の作品の連載も始まってしまい、……何だか嬉しいというよりも「大丈夫ですか?」と心配になってしまう。「出来ること」だけやっていては、そりゃあ進歩もありますまい。でも、「出来ること」をきっちり全うして頂いてから、「新たなるチャレンジ」に踏み出して頂いてもファンとしては構わないのですが、と複雑な心境に。 何はともあれ完結。後日談「その後の赤目」はテンポ良く読めて、「これが本来の楽しさなんだけどなー」と逆にちょっとしょんぼり。 |
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