読むか、旅立つか。
2006-08-31 Thu 17:58
イギリス物語紀行
松本 侑子
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タイトル買いして早数年。ようやく本棚を整理していた時に「あ、読みたい」と引っ張り出してきた。

タイトル通りの本である。イギリスが舞台になった物語に触れつつ、その地を訪れた著者による紀行文が綴られている。
そもそものきっかけは「赤毛のアン」翻訳に際して、実際の土地を見ておきたいと思ってプリンス・エドワアド島を訪れたことだそうである。それ以来、色々と好機に恵まれ物語の舞台となった場所を訪問することがあり、それだけでは足りなくなって、興味ある物語の舞台であるイギリスの、行っていない所へと足を運んだりしたのが1冊にまとまったようである。

ひとつの物語につき、割かれているペエジはさほど多くない。……ので、寝る前に一篇ずつ読むもよし、それこそイギリス行きの飛行機の中での暇つぶしに読むのもいいかもしれない。簡潔な文章で描かれているからもたれることもない。

思えば確かに、私たちが触れてきた児童文学と称される物語はイギリスのものが多いように思う。ミステリにも佳作が多い……特に「名作」などと呼ばれるものは。それどころか、クリスティやドイルという名だたる名探偵を生み出した作家の故郷ではないか(もっとも、現地の人々にとっては――我々にとっても、でもあるけれど――クリスティなどは古典中の古典で、下手をすると「何だってそんな古いの読んでるの?」と思われることもあるらしいが。古いものを愛するクセに新しいものにも目がないひとたちの言うことだから、とりあえず耳を通り抜けさせておくだけにしよう)。まあかの御大・シェイクスピアを輩出し、ワアズワアスを生み出した国なれば、文芸の豊かさは敢えて量る必要もないのかもしれない。

お馴染みの物語がほとんどである。詩も取り上げられている(誰のどの詩かは今更言うまい)。児童文学に留まらず、ミステリ作品もある。
白黒ではあるが著者の撮った写真等もそれなりに掲載されており、その場所の持つ空気がいささかなりと感じられるのも嬉しい(親本は確かカラアで見ることが出来た筈)。また、馴染みのある物語でも、再読したい気分になるし、未読の本であれば今すぐにも読みたい気持ちになる。

コンパクトにまとめられており、それでいてなかなかに「濃い」情報も綴られていたりして、軽いものの読み応えがある。

アメリカ+αの本もあるそうで、そちらの文庫化が待ち遠しい(「大草原の小さな家」とかねー♪)。そろそろ出そうなんだけどなあ。是非とっとと出して下さい、幻冬舎さん。
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