冷めぬ熱、覚めぬ夢。

主人公、ほぼ出番ナシ(笑)。

エア・ギア 15 (15)
大暮 維人
4063637174

……見直し手直し休載他社での並行連載、と遅延する理由ならヤマほどあるグレっちの「エア・ギア」最新刊がようやく出た。またしても「限定版」はピンズ付。まあ可愛いし嫌いではないので嬉しいのだが(当分続くぞ、「限定版」てえのが↓ それなりに物語にマトモに関わったチームが多いし、ショボいチームですらちゃんとエムブレムあるくらいなのでねえ。まあメジャーなチームのをつくるとは思うけど)。

「眠りの森」王蟲vs「トライデント」所属「ナニワの毘沙門天」ことベンケイ(いずれもエライ名前だが女性だ)とのバトル。カズの復活と「炎の王」継承への布石(?)。イッキ退院、それを祝って林檎たちが祝宴を開くものの、その夜林檎の調律者・奏音(カノン)によってバトルへと雪崩れ込んでしまった林檎とイッキ――で以下続刊。

王蟲対ベンケイのバトルはなかなか見応えアリで楽しませてもらいました。王蟲とベンケイはちょうど正反対なある種の美女同士なんだが(王蟲はビミョ〜に美女・美少女ちうのとはチガウ気もするが)、好対照にして好敵手、同等のレヴェルの者同士のイカしたバトル。動きに躍動感があっていいなー。定評のある「デッサンが面倒な物体の描写(今回は主に水と水泡)も相変わらずの美しさ。正直、物語においてそれほど大きい意味を持つバトルではない、んだけど(かなり巨視的に見れば、まあまあ重要、なのか)。おまけに、「走り」で魅せるというよりも、王蟲ならば玉爾(レガリア)の特性とその高度さ、ベンケイも蹴り炸裂、ちうカンジで、この物語で言う所の「キューブ」(限られた空間内での肉弾戦、という趣。なんつーか、純然たるA・T(エア・トレック)による「走り」やジャンプ力・トリック(技)で魅せるというよりも、それを利用した殴り合い、という要素が強い)に近いのがやや残念な気がしないでもない(勿論、パワー・ライド系に見えて速度の点でも劣ることのないベンケイの走りの確かさとか、王蟲の身のこなしはそれなりにイケてんだけど)。
それにしても潔く「散る」こと、そこまでして「眠りの森」が遵守していると思しき「トロパイオンの掟」に従うことを良しとする王蟲や蛾媚刺(媚の字は便宜上の使用)に、一体どんな思考・思想が潜んでいるのかまったく判らない(それを言ったら林檎や蜜柑たち野山野家シスタアズの「真意」も謎のままなら、林檎がいつも「眠りの森」の「正統後継者」と敢えて「正統」であることを強調される理由も明らかにはされてない。「正統」とは言われても、本当にチームのトップなのかどうかも不明だし。そんな訳でキリク黒幕説はますます濃厚になるんだが)。今後それなりに判明していくことは多いんだろうけど。

次元の違いを見せつけられて意気消沈どころかやる気すら失せたカズがよーやく復活。とりあえず自分も「チームの一員」で「為すべきことがある」と実感出来たことにより立ち直った模様。そして、どんなにヘタレても見捨てないエミリが最高可愛い(笑)。好きな男がヘタレてるのを見てるのはツライのに、エミリはそれでもカズから離れないし、それどころかいい所を即座に見つけてそれを絶賛しまくる。……ほんっっっっっとに可愛い。カズは浮き沈みのハゲシイ、悩み多きオトシゴロらしく、UP&DOWNがすんげえのだが、それでも見捨てないエミリが好きだ。ついでに、カズを尊敬すらしていた、とキッパリ言い放ち、最終的には見捨てるのではなく「仲間」として闘うことを選んで最後を託したブッチャも男前。正直、主人公イッキよりもナカミは男前かもしれぬ(笑)。

そしてよーやくイッキ復活。つまりアレか、コイツが居ると進む部分が進まない、つーことか?(主人公なのに・笑)まあ居れば居たで無茶苦茶やらかすだけではあるが。しかし、実は膝の怪我を理由に入院していたのは本人は知らないものの偽りで、この間に前・「風の王」である空に猛特訓をされ、「空の王」の座を目指せる最低限(空によれば、だが)の能力を手に入れた模様。今後それがどうどのように体現されるかが楽しみなんだけど、……コミックス未収録分(つまり次巻以降分)ではあんなことやそんなことになっていてカナシイ……。

ようやくシムカの双子の兄・キリクこそが旧「眠りの森」を壊滅させた張本人であることが明示され(……本誌読んでなくてもネットのお陰でねえ)、今後どう動くのかが楽しみではある。

個人的に困った(?)のが調律者集団・チーム「トゥール・トゥール・トゥ」、それも枢(くるる)が出張りつつあること、かな。中立の立場を取ると言いながらも敢えて林檎とイッキの間に不和(「現実」、とも言う)をもたらした奏音も鬱陶しければ、「私になんて無理ですぅ」なんて言ってたクセに突然やる気満々でイッキの調律者になる、と気張り、さも自分はイッキを理解出来ているかのようなことをヌカす辺りが何ともウザイ↓ 林檎がイッキを想い続けてきた時間の長さと深さを思うととにかくウザイ(ええ、私はベタなかぽー好きですともさ)。

ラストは互いに敵対する以外無い、ただしそのことで自分のことを理解出来る筈だ、と「荊の王」としてイッキに宣戦布告しバトルを仕掛ける林檎の姿で〆。……ああああああああああああああ(涙)。

次巻もドトーの如く進むのであろーか。楽しみだけど、枢の存在やら調律者どもが鬱陶しいてかなわん↓

表紙を華々しく飾った彼だが、本編では何と2コマしか出ていない。しかも1コマは宴会で飲み過ぎてゲロを吐き、それを「アイオーン48の宴会芸」のひとつ「時の逆流」とヌカしくさりやがった素敵野郎であった。いや、好きだけどさ、この表紙……。ゲロ吐いても好きだけどさ……(笑)。

とりあえず今いちばんお気にの「少年まんが」なので今後もやはり期待しまくりなのであった。
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